三好康之

Profile

1965年生まれ。関西学院大学 経済学部卒業。IT企業でSEおよび営業職を経験し、21世紀の始まりともに独立して株式会社エムズネットを設立。情報処理技術者試験において全区分制覇(累計25回合格、うち高度系20回合格)していることで有名。現在はコンサルタントとして活躍する一方、数々のIT資格対策書を執筆し人気を博している。著書に『情報処理教科書プロジェクトマネージャ』(翔泳社)などがある。2013年には、敬愛すべき乃木坂46にちなんで、企業の枠を超えたITのプロ集団「ITのプロ46」(itpro46.com)を立ち上げて主宰を務めている。

Book Information

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編集者と戦うことで読者を守る


――表現力に主眼を置かないということですが、見やすさ、わかりやすさも評価されている理由なのではないでしょうか。


三好康之氏: 表現もすごくこだわっています。小説や読み物と違って、うまく言おうとかきれいな表現をしようとかは考えていません。必要ありませんから。それよりも、できるだけ効率よく記憶に残すための表現を考えています。ですから文字のフォントの大きさとかレイアウトには、すごくうるさいんです。編集者とはいつもそれでもめるんですが。

――編集者とは、かなり激しくやりあうのですか?


三好康之氏: そうですね。読者の利益を守るのが著者の仕事の一つだと思っていますから。読者代表として。出版不況っていうのもあって、どうしても出版社は、出版社の利益を大きくすることだけを考えがちですからね。言われるままにしておいたら、読者にとってのメリットが損なわれるんで。そのあたりは、漫画や小説と実務本の違いだと思いますよ。例えば、「シリーズものの統一」なんかがそうかな。編集者としてはレイアウトなんかをシリーズで統一したいっていう思いがある。でも、僕は、試験対策では国内No.1っていう自負がありますからね。「どうして他の著者に合わせないといけなんだ!」って。だから、編集者の方には、内容は当然のこと、構成やレイアウトに至るまで全てこちらの指示通りにするように伝えています。細かい部分では、表現の修正も独断ではやらないようにいっていますね。編集者の方には、中身ではなく、広告宣伝やキャッチなど「売るための努力」を期待しています。

試験勉強が笑いながらできるのが理想


――資格は時間をかけず効率よく勉強すべきというメッセージは、ブログ等でも繰り返し出されていますが、試験勉強についての考え方をあらためてお聞かせください。


三好康之氏: 学生のころは、点数さえ取れば自由に遊んでて良いんだと思ってやっていました。ペーパーテストには強いので、大学入試も高校入試も僕にとってはなんてことなかったし、「ああ、こういう世界は楽だな」と思っていました。ただ、その一方で、そんなものに魅力は感じなかったし、何の価値も感じませんでした。世の中には勉強なんかよりももっと難しいものがいっぱいあるって思ってましたから。だからなんでしょうね、僕が今も遊んでいる友達は、中卒であったり、高校を辞めちゃったりという人が多いんです。勉強するという人生を選ばなかった人たちです。ほんと、彼らの方がずっと人間的に魅力があるんですよね。僕はそういう人たちのほうが好きなんです、勉強しかできない人なんかよりも。だから、ペーパーテストなんかに時間をかけて、勉強のために何かを犠牲にするというのを止められるようなものを作りたいと思っているんです。ITエンジニアはいわゆる3Kで、鬱病の発症率が、ほかの業種に比べて5倍というデータが出ていて、実際僕もそういう世界を見てきています。そんな世界でも楽しく働いている人がいる。その人たちに共通しているのは、資格制度なんかを上手に利用して勉強し続けている人たちです。勉強をやめた段階で知識が劣化するので怖い時代ではあるんですけど、勉強し続けている人っていうのは、結構自由に、幸せに暮らしているので、そういうような人たちを増やしたいですね。

――今後、教材に改良を加えたい点があればお聞かせください。


三好康之氏: もっと本を薄くしたいです。勉強にかける時間を、極限まで削減したいんです。あとは笑いながら勉強できるツールを出したいんですよ。一度吉本興業に、会計士とか弁護士の勉強を笑いながらできるツールって作れないかなって話を持っていったのですが、向こうの取締役に、「できるかっ、それは無理やろ」って突っ込まれました(笑)。笑いながらというと語弊があるんですけど、楽に、やりがいを持ちながらできるというか。そうですね、例えば、自分の好きなアイドルが「試験がんばってね」って応援してくれるようなことでもいいんです。一言いってくれたら、やる気も出るんですよ。そういうのを考えていきたいんですよね。

恋愛と比べれば勉強や仕事はずっと簡単


――勉強は難しい、というイメージが変わるといいですね。


三好康之氏: 実は、勉強は努力に正比例して伸びていくので、すごく簡単なんです。仕事も、やればやるだけ伸びていきます。やっぱり、一番難しいのは恋愛じゃないでしょうか。恋愛はいくらお金を突っ込んでも、時間を突っ込んでも成果からどんどん離れていくこともある。こっぴどく振られたり、金を貢がされたりもします。仕事面では絶対に鬱にならない自信のある僕も、高校の時に、3年間つき合って結婚しようとしていた人に振られて、1年ぐらいは鬱状態になりました。恋愛面で思い通りいかないと、そうなってしまう自信はあります。それに、恋愛にはやっぱりお金がかかる。今の嫁さんにも、口説いているときに400、500万は突っ込んだかな(笑)。

――それは興味深いです(笑)。よろしければ奥さまとのエピソードをお聞かせください。




三好康之氏: そうですね。口説いているときは、毎日バラの花束を抱えて、車で送り迎えしていたんですよ。同じ会社だったんで、朝迎えにいって会社の前で降ろして。帰る時も迎えに行って。そんなことをしていても、半年間で5、6回ぐらい振られましたね。うちの嫁もおもろいやつなんですけど、花束をずっと渡していたら1週間ぐらいで「もうやめて」と。やっぱり(愛情が)重たかったのかなと思ったら、そうじゃなく「現金がいい」って(笑)。そのうち、食事も「こんな高いところ行かんでいいから」って言い出すんですよ。なぜかなって思ったら、「もっと安いところに行って、浮いた分を現金で」って。最終的には「プレゼントもいらん。お金をくれたら自分で買いに行くから。あなたの趣味は合わないから」とかまで言われました。ただ、そういったネタが面白かったので、親とか友達におもしろおかしくしゃべっていたら「それはアカン、だまされてるだけや」って本気で心配されちゃいました。最終的には付き合えたのでよかったですが、その付き合ったきかっけも最後は喧嘩腰でしたからね。変わっていたんでしょう、お互いに。知り合って半年後ぐらいに、一緒に淡路島に旅行に行った時ですね。些細なことでケンカになって、「どうすんねん。うちの親も心配してる、友達にもだまされてるんちゃうかって思われてんで」って僕が詰め寄ったら、「そんなんいったってあんたが勝手にお金使ってるだけやん」と言い返されて、最後は、僕が「もうつき合わなあかんやろ!」って怒鳴ったら、「わかった、それやったらつき合ったるわ」って捨てぜりふを吐かれました(笑)。そこから結婚するんですから、人生わからないもんですね。昔から、こんな経験ばかりしているから、恋愛が一番難しいと思っています。いくら努力しても答えが出ないし、努力しすぎたらストーカーになったりもします。だから、努力してはいけないという努力をしないといけなくなる。そう考えると、仕事って簡単ですよね。努力に正比例するんですから。

著書一覧『 三好康之

この著者のタグ: 『漫画』 『コンサルタント』 『子ども』 『営業』 『起業』 『勉強』 『IT』 『教材』 『クールジャパン』

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