一生懸命やることを、止めないこと
――大学生以前はどんなお子さんでしたか?
齋藤孝太氏: 今は全くやっていませんが、中学、高校では卓球をやっていたんです。キャプテンとしてインターハイにも出場しました。僕の出身校は、日大豊山高校という日大の付属高校です。インターハイに、10年位連続で出ていました。僕は、中学の時に関東大会に東京代表で行ってましたから、高校には卓球推薦で入ったんです。なんとか3年の時は、団体戦・ダブルスでインターハイに出ました。全国大会に行って思ったのは、自分が一生懸命やっても僕よりうまい人がこんなにたくさんいるんだなあという良い意味のあきらめを感じました。自分が一生懸命やっても、ある領域には届かない現実を知りました。
そこで大事だと思ったのは、まず一生懸命やること。一生懸命やっても、なかなか行き着けない場所はありますが、そこがないと未来はないと思って、頑張っています。あきらめたら終わりですからね。
――その話を聞くと、私ももっと頑張らないと、と思いますね。
齋藤孝太氏: 僕は高校3年生まで部活を一生懸命やっていたんです。自分が上級生になると、先輩がいなくなりますから、練習をサボり出す人がいます。それを見ていて、とにかく続けることが大切だと思うようになりました。ビジネスは期間が長いです。高校なんて3年間だけですが、ビジネスは30年あります。長丁場です。元々持ったセンスも大事ですが一生懸命やることを止めないことが一番大事です。
自分の専門領域で精いっぱいやる
――齋藤さんは、電子書籍は読まれますか?
齋藤孝太氏: 一度しか買ったことがないです。線を引いて読むのが僕の読書スタイルです。何度も読み返すので、効率を高めたい。もう一度本を読み返す時には、線を引いたところしか読まないですね。電子書籍でもマーカー機能はあると思うのですが、なかなか踏み込めないですね。電子書籍がダメというわけではないのですが、私にとっての「どうしても電子書籍でなければ」という決め手がないです。
――仕事とプライベートの境界線みたいなものはありますか?
齋藤孝太氏: あまりないですね。かと言って仕事、仕事と思っているわけでもないです。生活があって、その生活の中に仕事があって余暇がある。余暇も仕事の時間も、生活している中では同じと考えています。
――今後の展望を伺えますか?
齋藤孝太氏: 今、仕事としては教育とのかかわりが多いのですが。会社の中でこういうビジネスパーソンであってほしいという希望を話し合いながら、どんな教育が必要なのか考えていくスタイル、コンサルティング領域を深めていきたいと思っています。僕は、もともとマーケティングの世界から来ていますから、最初は人の教育にあまり興味を持っていませんでした。ただ、実際にやるのは人です。会社のあるべき人材像と現実のギャップを明らかにして、そのギャップを埋める教育をもっとやっていきたいと思っています。
――さまざまな変化の中で、これからが楽しみですね。
齋藤孝太氏: 特に最近意識しているのは、クライアントさんの要求に対して、柔軟に対応することです。自分がやりたいことよりクライアントさんが望むことを真剣にやる方が、自分の領域を広げられるからです。クライアントさんは時間とお金を使って依頼するわけですから真剣です。ですから、クライアントさんの要求に応えていく力を大事にしたいと思っています。
クライアントさんが求めてくれれば、私は一生懸命できます。その意味で、クライアントさんの希望・意向に一層敏感でいなければ!と思っています。
――今自分にできることを一生懸命やっていくことが大事ですね。
齋藤孝太氏: あまり大きいことを考えず、自分の専門分野でやっていくのが大事かなと最近よく思います。以前、「日本の新しい大学教育」みたいなことを考えた夢物語の企画を考えたことがありました。途中でやめましたが、やってみて思ったのは、大学には大学に心ある人がいて、頑張っている人がいる。政治家がダメだと言っても、政治家の中にも心ある人がいる。僕は僕で、自分の専門領域を頑張っていこう!自分の領域で完成度の高い仕事を世の中に届けることが大切だと思っています。
(聞き手:沖中幸太郎)
著書一覧『 齋藤孝太 』