1人でも多くの人に良い影響を与えることが使命
メールマガジン黎明期よりその可能性にいち早く気づき、ノウハウを体系化し商品化されたビデオ「メルマガのノウハウ」は半年間で800本を突破。シリーズは最終的に3,000本以上の販売を達成。その後、アイ・コミュニケーションを設立し、メールを活用したブランディングや販売促進を支援。また、日本初の「ビジネスメール教育事業」や、1人の起業家としての活動から法人組織化への道のりなどのビジネスノウハウを提供する通信教育事業「ビジネス実践塾」を展開中。著書の『あなたの仕事が劇的に変わるメール術』では、業界初の「手書き交通広告」実施するなど、話題作りにも定評があります。日本で唯一のメルマガコンサルタントとして、ビジネスメール教育の第一人者として「人のために動くことが、必ず自分のためになる」という信念を持ちつつ走り続ける平野さんに、お仕事への思い、そしてこれからの書籍についての考察をお聞きしました。
タスクを書きだして、消すことが楽しい
――日本で唯一のメルマガコンサルタントということですが、まずはお仕事内容のご紹介をしていただけたらと思います。
平野友朗氏: 弊社の仕事を簡単にまとめていくと、コンサルティング業務と講演や研修業務、本の出版。あとは「ビジネス実践塾」というコンテンツ提供のサービスと、そのほかにも広告代理店、ウェブサイト制作会社のようなことをやっています。最近、一般社団法人日本ビジネスメール協会を立ち上げたので、どんどん仕事の幅が広がっています。ビデオの購入や広告の出稿を含めると、延べ10,000社ぐらいとは取り引きしてきたと思います。企業研修も多いときは月に20本くらいあって、午前中と午後で1日2本講演する日もあります。SMBCコンサルティングさんなどでは10時から13時、休憩をとって14時から17時というのが年間8本あったりしますので、今年は講演の回数が100本ぐらいになりそうです。でも私は講演家ではないので、実際はコンサルティングとか、直接アドバイスできない方にコンテンツを届ける、というところも大事にしています。
――どのようにして今の道に至ったのかというのを、読書体験と絡めて、幼少期の頃から遡ってお聞かせ下さい。どのようなお子さんでしたか?
平野友朗氏: 北海道の札幌生まれで、家には百科事典やアンデルセンの童話などのシリーズもたくさんあって、そういうものを読んでいました。私は本を読み始めたのは早かったかもしれませんが、国語は子どもの頃は嫌いだったと思います。読んだ本は赤川次郎が多く、あとは西村京太郎などのサスペンス系、推理小説を小・中ぐらいまで読んでいた記憶があります。
――高校の頃は、どういった進路を考えていましたか?
平野友朗氏: 通っていた高校が理系と文系に途中で分かれるんです。その時に自分の成績が良かったのは数学で、国語と英語はあまり成績が良くなかった。数学は答えが1個しかないから、「できる」、「できない」が明確に分かるけれど、それとは違った国語の曖昧さが嫌だったんです。子どもの頃の作文を見てみると、なりたい職業にはサラリーマンか警察官のどちらかが書いてありました。高3の時は数学の先生や研究者になることを考えていたのですが、微分・積分の概念が全く分からなくて挫折。途中から文系に移りました。それで数学を使って受験できる大学はどこだろうと調べたら、筑波大がありました。
――心理学を選んだ理由は?
平野友朗氏: 自分の思考がコロコロ変わるのはなぜなんだろう、と考えたんです。そこで「人の心を知るためには心理学しかない」と思って、心理学を選びました。文系に転じたのは高3だったので、それからはかなり勉強をしました。毎月送られてくる問題集があったのですが、高校1年の時からやっていなかったものを3年生の時にまとめてやりました。問題集をひたすら解いて積み重ねていって、それが自分の背より高くなった時は、「よくやったな」と自分でも思いました。積み上がるのが楽しくて、ひたすらやっていたところもありました。でも、受験勉強に関しては今ほど合理的ではなかったと思います。もしかしたら、本番に強いタイプなのかもしれませんね。「人よりたくさんやればいいんじゃないか」とか、「諦めがつくぐらいやってダメだったらしょうがない」という思いはありました。そういう意味では精神的には強いのかもしれません。
――今のお仕事とつながっているところはありますか?
平野友朗氏: 大学受験では勉強、仕事ではタスクと、やるべきことを全部書きだして消すのが楽しいという点は、同じかもしれません。これは読書にも通じるんですが、私にとって読書とはタスクなんです。「今日はこの本を、この時間内で読もう」と決めて、それをこなす。コンサルティングをしていて思うのは「うまく行く人」とは「言われたことをやる人」なのだということです。言われたことをやらないで「じゃあ今度はこれをやろう」とか「やっぱり面倒だからこっちをやろう」と、どんどん変わってしまう人もいます。でも、言われたことを着々とやっている人の方が成果を出していくことが多いです。例えば「この本を1時間で読む」と決めたら読むだけでいい。一気に5冊読んだりすることもありますが、本は多くのことに活かせるので、これほど楽しいものはないなと思っています。自分でルールを決めて、そのルールを破らないことが重要なのです。
ビジネス書は読みやすい
――大学時代、読書はされていましたか?
平野友朗氏: 大学時代は本が好きではなかったので、漫画も雑誌もあまり読みませんでした。株式会社学情という就職情報誌会社に新卒で入ったんですが、最初は本を読んでいませんでした。ただ、途中から習慣が変わって、小説を読むようになりました。
――どういったきっかけがあったのでしょうか?
平野友朗氏: みんなで貸し借りをしたり、小説に詳しい人に好きな作家さんを教えてもらったりしているうちに、図書館で本を借りるようになって「やっぱり小説は面白いな」というところから再び本を読むようになったんです。
――当時はどのような本を読まれていましたか?
平野友朗氏: 会社を辞めると決めたのは2002年なんですが、その頃は図書館に行って起業に関する本を片っ端から読んでいました。交流会に行くとかは頭になく、ひたすら本を借りて読んでいました。ビジネスの方向を決定づけたのは神田昌典さんの『口コミ伝染病 お客がお客を連れてくる実践プログラム』という本だったと思います。その本を読んで「面白い世界だな」と引き込まれて、ますますビジネス書を読むのが好きになりました。これまで周りには、学術的な難しくて読みにくい本が多かったのですが「こんなに簡単に読めるビジネス書があるんだ」と思ったんです。それからはビジネス書をひたすら読み続けました。でも、当時はまだまだ読むペースが遅くて、読めても月に5冊ぐらいだったと思います。
著書一覧『 平野友朗 』