池内ひろ美

Profile

1961年、岡山生まれ。一般社団法人日本女子力推進事業団代表理事。一般社団法人全国危機管理理事。女性活躍委員会委員。西日本短期大学非常勤講師。八洲学園大学客員教授。1996年より「東京家族ラボ」主宰。精神科医、弁護士、心理カウンセラー他専門家が参加しカウンセリング、ワーク・ショップ、講演会、研究会等を行なう。相談件数3万件以上。結婚と離婚、恋愛、親子関係などのコンサルティングを行ない、現代の男女・家族のコミュニケーションから、本人が幸せを感じて生き方にいたる問題を相談者とともに考える。 TBS『私の何がイケないの?』、テレビ朝日『TVタックル』『朝まで生テレビ』等出演ほか、ラジオ・新聞・雑誌でも。著書は『大好きな彼に選ばれるための25の法則』(スターツ出版)等全30作品。

Book Information

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過信は、気力を無くす要因に 


――先生のもとには、悩みを抱えた方が多く、ご相談に来られていますよね。


池内ひろ美氏: 夫婦は社会の最小単位ですので、その中に社会で起こる問題が全て入っています。離婚は、「結婚に失敗した自分を受け入れた」人が、結婚を継続するために努力し、相手のせいにするのではなく、再度「結婚に失敗した自分を受け入れる覚悟」を決めて選択する生き方のひとつではないでしょうか。
忍耐も包容力も結婚を継続する努力のなかに含まれます。
それら努力を、3日続けるか3年続けるか30年続けるかは、各自の価値観に依るものですし、続けた努力を誇らしく感じるか無駄な時間を過ごしたと感じるか…さまざまです。ご相談を通じて私は色々なことを教えていただいたので、教えていただいたことはその方の個人情報とは関係なく普遍的なこととして伝えていかなければなりません。
また、私自身も依存的なところがある人間ですので、「自立してください」などと言ったことは一度もありませんし、男女平等を唱えたこともありません。男性も女性も幸せを感じて生きることのできる世の中になればいいと願っています。

――今は、女優としても活動されていますね。


池内ひろ美氏: 自分の言葉で講演をさせていただき、本も書かせていただきました。テレビにも出ておりますが、今度は「セリフ」をいただいて語りたくなりました(笑)。
また、夫婦関係を良くするためにはどうすれば良いのかというご相談の時に、「ご主人に綺麗な言葉で話をしてください。笑顔で話し、笑顔で聞いてあげてください。それだけで男の人は気持ちよく仕事ができるのですよ」とお伝えすると、「そんなことできません」とおっしゃる方がたくさんいらっしゃいます。そういう方に、「女は生まれながらに女優だからできる」と、この20年近く言い切ってきました。だからこそ私が女優をやっていないというのは、まずいのではと思いました。また、私は体が弱かったので半世紀を生きられるとは思っていなかったのですが、50歳を超えたので、もうここからは好きなことをしてもいいのではないかと考えたのです。女優として活動することは、「女は生まれながらに女優だ」とお伝えしている言葉を体現する方法です。著作やテレビ出演も体現した結果です。人様の人生で実験するわけにいきませんから、自分の人生をかけて実証しています。ですから、結婚3回説を伝えるために、私はもう1回結婚するかもしれません(笑)。人生は1度きりだから、色々なことがあった方が楽しいですよね。

――あくまで社会のため、人のために生きているのですね。


池内ひろ美氏: もちろんです。自分のために行う仕事は何ひとつありません。仕事は全て人様のため、社会のためにあると思います。

――失敗したり、上手くいかない時は、どのようにして乗り越えてらっしゃいますか?


池内ひろ美氏: 失敗した時に凹むのは、自分が有能、優秀だと思っているからです(笑)。自分自身を過信していると極端に凹んでしまいます。私は田舎者ですし、決してエスタブリッシュメント(社会的に確立した組織)された世界で生きてきているわけではないので、自分が有能ではないということを自覚しています。しかし、何らかの役割はいただいていて、そこに向けて進んでいかなければなりません。そこでの失敗は、失敗ではありません。分からなかったら分かる方に教えてもらえばいいですし、本を読んで勉強するなどして分かるように努力するべきなのです。自分が少しでも分かったと思うことがあるのなら、それを伝えていかなければいけないと思います。

電子書籍に紙の本。両方に存在価値がある


――出版の際は、編集者の方とやり取りをよくされていると思うのですが、池内さんにとって編集者とは、どのような存在でしょうか?


池内ひろ美氏: 本を出してくださる方ですから、私にとって恩人です。編集者によって、本の方向性が変わることもあります。それだけ重要な位置を占めていると私は思っています。また、編集者には、良いところを引き出してくれる部分もあります。『妻の浮気』(新潮新書)を書いた時の担当編集者である後藤さんは、私が持っている良さを最大限引き出してくださいました。

――編集者に必要なこととは?


池内ひろ美氏: 私が最初に出した、読み上げもされている『リストラ離婚』(講談社文庫)の編集を担当された杉山さんは、定年退職後にインドへ行き、子どもたちにボランティアで語学を教えています。つまり、共通しているのは社会貢献活動という点です。書籍を通じて文化を作っているのですから、社会貢献マインドを持っているということが、編集者には必要だと思います。

――電子書籍はよくご利用になりますか?


池内ひろ美氏: 私自身『離婚の学校』はじめ数冊の電子書籍出版を行っていますし、iPadで電子書籍を読み、Kindleも持っています。出張の際に、今までは3冊の本を持っていっていたのですが、今はそれがiPadに全部入っているので便利です。また、古いコミックも電子書籍で持っています。実は私、小学校の頃は漫画家になりたかったんです。絵はあまり上手ではありませんでしたが、『別冊マーガレット』も『りぼん』も『サンデー』も『マガジン』も全部読んでいて、『週刊新潮』も『週刊ポスト』まで読んでいました。母の塾の待合室に雑誌がたくさん置いてあったので、漫画と週刊誌を読んで育ちました。当時から『週刊新潮』に掲載されていた『黒い報告書』が大好きで、両親の目を盗んで隠れて読んでいました(笑)。漫画や雑誌は持っていると嵩むためほとんど処分してしまいましたが、手塚治虫作品だけは全て揃えて持っています。

――先生にとって、本とは?


池内ひろ美氏: ページを捲るもので、インクの香りがするものです。

――電子書籍が増え続け、紙の本はなくなるのではという考えもありますが、先生はどのように思われますか?


池内ひろ美氏: なくなることはありません。油絵の肖像画から写真になった時に、写真が悪く言われましたが、それと似ていると感じます。写真が登場しても絵画は今もなくなってはいません。時代はいつも過渡期なのですから、その時その時に細かいことを言わなくていいと思います。過渡期である時代の中の一部分で、皆、何らかの役割を持っているだけなのです。電子書籍を考えるとき、自ずと紙の本の良さも改めて考えます。ですから、両方あるべきだと思います。電子書籍では、厳密な表記を心がけるよりは、トラフィックを軽くし、読みやすさ、扱いやすさということに重きを置くべきだと思います。また、出版社は電子書籍に対し、もっと積極的になっていただきたいです。そうすることで、出版や著者の権利を守ることもできると思います。
電子書籍のおかげで、出版の垣根は低くなっていますが、だからこそ、気をつけなければいけないと思います。編集、校閲がなされている出版コードのついた書籍と、ネットに個人が書いた不確かな情報、どちらも読む側にとっては同じ活字です。読者が正しい情報を選ばなければならないことへのハードルの高さは感じています。

――今後していきたいことは?


池内ひろ美氏: 日本の女性の女子力を上げていきます。女として生まれたことをありがたいと受け止めて、幸せに生きることが女子力が高いということだと思います。女性が生きやすい社会は男性にとっても生きやすくなります。日本人は、他者と自らを比べて妬み嫉みの感情を持ちやすい背景がありますので、幸せを感じるのがちょっと下手かもしれません。男性も女性も子供たちみんなが幸せを感じて生きていくことができるよう、お手伝いをしたいと思っています。

(聞き手:沖中幸太郎)

著書一覧『 池内ひろ美

この著者のタグ: 『考え方』 『紙』 『こだわり』 『教育』 『子ども』 『人生』 『編集長』

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