節目に存在した本が 一歩踏み出す勇気を与えてくれた
――そうして積まれた多くの経験、研究の成果を本に記されています。
川田浩志氏: 最初の本は『サクセスフルエイジングのための3つの自己改革』という本でした。本を一冊書き上げ、考えた末、保健同人社に持ち込んで、出版してもらえることになりました。それからいくつか出させて頂きましたが、常に本の値段以上のものを提供したい、と思っています。そして、読んで満足ではなく、そこから一歩踏み出す応援が出来れば良いなと思います。
大学2年の時、『白い巨塔』を読んでいました。今でも色褪せません。登場人物たちの生き様は、私の大学人としての生活に大きな影響を与えました。また、フレデリック・フォーサイスの『ジャッカルの日』からは、主人公のプロ根性に心を打たれました。また最近読んだ本では、慶応大学病院の眼科で教授をされていて、アンチエイジング、抗加齢学会の理事長をされている坪田一男先生の、『「ごきげん」だから、うまくいく!』という本も印象的でした。坪田先生の「ごきげんだから」という信条が表れた素晴らしい本で、15年たっての復刊でしたが、感銘を受けました。
本は、一冊に経験や知識が凝縮されている素晴らしいものだと思います。私の書く本は、小説ではありませんが、励ましたり前に進む勇気を示すことの出来る本を、書いていきたいですね。
アンチエイジングでできる健康社会への手助け
――さらなる発信が続きます。
川田浩志氏: 血液内科学の中に、抗加齢医学など、別の切り口でのアンチエイジングを融合して、情報発信していきたいと思っています。日本はこれから超高齢化社会を迎えますが、私が発信している、アンチエイジングの情報が、読んでくれた皆様だけでなく、さらに伝播して多くの人が幸せを感じることの出来る助けになればと思います。
現実的な問題として、医療費の増大も懸念されています。良い健康習慣が広まれば、全体の健康度も上がり、医療費も削減されます。そういった想いで書いたのが、『医学データが教える 人生を楽しんでいる人は歳をとらない』です。体に良い状態に保つことのできる“健康習慣”は、全く副作用のない良薬なのです。病気のせいで、本当につらい思いをされている人が、世の中にはたくさんいます。そうなる前の段階で、食い止めたい。そのための情報は積極的に発信して、ひとりでも多くの方の健康生活に役立ちたい。それが変わらない、私のミッションです。
(聞き手:沖中幸太郎)
著書一覧『 川田浩志 』