編集者とのベストタッグで専門知識をわかりやすく
――数々の経験を本にされています。
五十嵐明彦氏: 大学四年時に書いた『公認会計士2次試験「非常識」合格法―勉強しないだから受かる』という本が最初でした。石井先生から伺った方法で公認会計士試験に合格できましたが、周りでそういった勉強法は見受けられませんでした。その方法を伝えるために、本にまとめました。
その後、取っ付きやすく面白い簿記の本を書きたいと思い、出版社をまわって簿記検定の本を書かせてもらいました。その簿記検定の本づくりを通して、石塚理恵子さんという素晴らしい編集者と出会いました。簿記の本というのは、数字や、仕訳など細かい項目がたくさん出てきます。「知らない人が読んでも、わかるように!」と何度も言われ、修正を重ね意見を聞きながら書き上げました。その後の私の本づくりは、そのほとんどが石塚さんとタッグを組んでやっています。
確かに、一見して専門用語が羅列してあるような本は、読んでいて面白いと思う一方で、なんだか疲れてしまう時もあります。ですから、最後までちゃんと読めるような、わかりやすくリズミカルな本を届けたいと思っています。
――『「相続税、私が払うの?!」とあわてる前に子どもがやるべき相続準備の本』も、読みやすいものでした。
五十嵐明彦氏: 親に向けた相続の入門本で黄色い表紙の『子どもに迷惑かけたくなければ 相続の準備は自分でしなさい』と対になっている本で、親が元気なうちに子どもがしておくべき相続準備の重要性をやさしく説明しました。「自分には関係ないかも」と思われている方も、相続税の法律も変わり、対象となる範囲が拡大され他人事ではなくなってきています。また、いざという時になって、慌ててしまったという話もたくさん聞かれます。相続対策は親子の協力が最も重要なので、是非親子で読んでいただきたいと思います。この本も、編集者は石塚さんでした。
――素敵なタッグで発信を続けられます。
五十嵐明彦氏: 目の前のことを一つ一つ解決し、積み重ねてきたので、あまり「こうしなければ」というのはありませんが、今は、わかりやすい会計の本を書きたいと思っています。これからも、相続に限らず、世の中で「わかりにくい、けれども避けては通れない」問題に対して、専門家としての情報をわかりやすく届けていきたいと思います。
(聞き手:沖中幸太郎)
著書一覧『 五十嵐明彦 』