壁は「突破」しなくても良い
石原加受子氏: 心理療法を学びつつ、ライターとして仕事するという二足のわらじを履いていましたが、そこから徐々に仕事が広がっていきました。心理療法の分野には、専門の資格が様々ありますが、ひとつの枠の中だけでなく、様々な悩みに応えたいと思い、自分なりの方法論を模索していました。
――試行錯誤を乗越えて。
石原加受子氏: 今のように色々な本を書かせて頂くまでは、企画も「書いてはボツ」の連続でした。ほとんど見もしないで捨てられたこともありました。けれど私の思考は「自分中心」(笑)。相手を嫌ったりというようなマイナスの感情を抱かないほうが楽です。その発想が、「自分中心心理学」ともつながってきました。
私は、目の前にあることをできるだけ楽な状態で続けてきました。「壁」を突破するために戦うことは、ものすごくエネルギーが必要なので疲れ切ってしまいます。きつさを我慢して一生懸命頑張ることは、無理矢理なものになってしまいます。壁を突破する必要はありません。「自分中心」で他者と戦わないことが、結果につながります。
自由で楽な継続が結果につながる
石原加受子氏: 自分の納得いかない道を無理に進む必要もありません。また人と比較するより、自分が今持っているものを大事にして欲しいと思います。私も疑問を感じた時は、それを無視せず、脇へ置いておきます。最初の段階でわからなくても、次の段階でわからなくても、考えることをやめなければ、だんだん自分の道が見えてきます。そうして、ようやく自分で見つけた道を歩み始めたら、あとはとことんやる。今いるところで、精一杯自分を伸ばしていけば、才能は開花します。好きなことは誰でも天才になれるのです。
――「自分中心心理学」を、著作やカウンセリングで広げられています。
石原加受子氏: 道の途上でつまずきそうな時、元気がなくなりそうな時はぜひ私の本を手にとって欲しいですね。継続の力になる本をご用意しています。この『もっとシンプルに、楽に生きることをはじめよう!』という本は中国語に翻訳され台湾でも好評でした。悩みは人間に共通するものですので、これからは日本語だけでなく、世界に向けて、もっと多くの人の「悩み」に応えていきたいと思います。
(聞き手:沖中幸太郎)
著書一覧『 石原加受子 』