―― そうですよね、グッズだとかも売れるのでしょうね。
滝井秀典氏: そうです。情報の良さって伝えない限りわからないので、そのハードルは下げざるを得ない。もうそんなの下げていいじゃないかと。そこに情報が広がることにより、韓流と同じようにメリットが確実にあるわけです。そういったビジネスモデルにしていければいいと思います。
―― もうコンテンツのみで稼ぐ時代ではないと。
滝井秀典氏: それはもう残念ながら難しいですよね。だからコンテンツは稼ぐものではなくて、広く流通させるものだという風にしていけばいい。そういう意味では韓国の人達は上手だなと思いますね。
―― 学ぶべきところは多いですよね。
滝井秀典氏: 大いに(笑)。最後に私から質問なのですが、BOOKSCANさんは今どんな感じなのですか。先般、著作者の何人かの方がいわゆる自炊業者2社に訴えを起こしましたが、あれは何ですか。断裁するのがダメだと言っているのですか。
―― 様々な立場の方がいて、一様ではありません。著作者の意向を無視した電子化にはBOOKSCANも同様に、反対をしております。
滝井秀典氏: 単純に電子化反対、というわけではないのですね。
―― 電子化には賛成だが、『与り(あずかり)知らない所で海賊版として出回るのが嫌だから』という方もいれば、『自分の作った本が、みんなの努力の結晶で作られた本が断裁される、もうそれが正視に堪えない』という気持ちの方もいらっしゃいます。様々な立場が存在していると思います。BOOKSCANとしては、裁断した本を溶解処分しており、またライツコントロールセンターを設け、『データ化しないでほしい』と表明されている著者の方は全てデータベースを作成し、書籍が到着した際に全てISBNをiPadで調べ電子化拒否の著作物については返送しています。こんな感じです。(調べる様子をお見せする)
滝井秀典氏: スマートフォンでチェック対応するのですか。
―― はい、カメラアプリです。
滝井秀典氏: すごいですね、開発したのですか。
―― 自社開発しています。ユーザーにもAppStoreから無料で取れる形にしているのですが、全て返却しています。著者の著作権保護を重要視しています。
滝井秀典氏: わかりました、すばらしいですね(笑)。ぜひ頑張ってください、応援していますので。
(聞き手:沖中幸太郎)
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