―― 良いところですよね、私も自然が豊かな中で育ちましたので。なにかズッコケシリーズがお好きなのもうなずけます。ところで同時読みということですが、月あたりの購入冊数はどれくらいになりますか。
村上崇氏: そうですね、月あたり金額にして5万円分位だと思います。
―― 結構なペースで読まれますよね。常に何冊か持ち歩いていらっしゃいますか。
村上崇氏: そうですね。トイレと、ベッドの脇と、あと会社にも置いていますが、会社ではあまり読みません。移動中も多いですね。
―― 数が多くて持ち歩くのは大変だと思いますが、電子書籍は利用していますか。
村上崇氏: 電子書籍も使っています。以前は、自分で裁断したりしていました。今は、今日の取材を受けるからというわけではなくて(笑)、BOOKSCANさんにお願いしようと思って、全部段ボールに詰めてスタンバイしています。駐車場に2,3箱置いてあります。あとは送るだけなのですが、待ち時間が長いので…。ただ有料会員になると早いようですね。実は、知り合いが結構利用しているのです。利用したいなと思いつつ、重い腰が上がらず…。
―― プレミアム会員ですね。その他オプションなども付けられお得なサービスです。
村上崇氏: 素晴らしいサービスだと思います。
―― 今、BOOKSCANに期待すること、お聞かせ願えますか?
村上崇氏: 電子化して届けてくれる際に、これはぜひ実現してもらいたいのですが、裁断済の本を留めるクリッパーを作って欲しいなと思います。
―― はい、この部分がなかなか難しいところですね。廃棄をしないといけないので。
村上崇氏: え!廃棄をしないと、いけないのですか。
―― そうですね、最流通防止のために廃棄処分が前提となっていますね。
村上崇氏: あそっか、じゃあ返送は無理ですね。あとは、えーと、まあ納品の時間もありますが、今後も応援しています。
―― ありがとうございます。電子書籍の現状と、期待することについてお伺いさせていただきたいと思います。ご自書でも触れられているクラウド化、電子化と仕事の効率化についても、ご意見をお伺いできますか。
村上崇氏: 本だけに限らず音楽についても、新しいテクノロジーが生まれた時に大きなイノベーションが出来て来ると思います。やはり、安価でクラウドが使えるようになった点と、身近にスキャナーが使えるようになって、BOOKSCANのような専門業者と、一般のユーザーも使える公平でフラットな状況は、これからますます成長市場に入るだろうな、と思っています。
そういう自然の流れ、テクノロジーの進化に逆らうことはできないし、逆行するようなことだけはやってはいけないと考えています。音楽やコンテンツ、映画も同様に言えることだと思いますが、止めて権利を守ろうとしたりだとかしても、結局違法のダウンロードが発生してしまう状況は過去にもありましたね。それを公平に分配できるようにiTunes等の、プラットホームができあがったのですが、電子書籍においてもそのようなプラットホームは必要だと感じています。一元化はできていないと思いますけど。これから大きな流れになり、避けて通れない部分だと思いますね。
―― 大切にすべき著作者の権利と読み手の利便性、色々な立場の中で点の帰結点は存在するべきでしょうし、それに逆行することは結局、そういった問題を増やしかねないということですね。
村上崇氏: そうですね、期待するところとしては電子書籍として誰でも出せることは大きな希望ですね。例えば今までどこから出たか、というブランドはあったと思いますが、今後は電子書籍を誰でも公開して、誰でも書き手として活躍できます。世界の人に読んでもらえるような環境を整えて行かなきゃいけない。
―― そういう意味で出版社の強みでもある、プロモーション力は、ますます重要になってくるでしょうね。
村上崇氏: ちょうど僕が出した2~3年前の段階で、電子書籍というものに対して対応認知度が低かったのです。いろんなデバイスがある中で。今そのそういうデバイスさえも飛び越えるようなクラウドが存在している状況で、そこにいち早く着手できている出版社はとても重要な存在になってくると思います。
著書一覧『 村上崇 』