若宮健

Profile

1940年、秋田県生まれ。トヨタ自動車のディーラーに19年勤務。メカニックから営業マン、営業所長を経験。営業マン13年間で新車を1200台販売。独立して自動車販売会社を設立するも、3年で撤退。その後、損保代理店、証券会社勤務を経験するも、一度体験したいと考えていたタクシードライバーを経験し、タクシードライバーをネタに『タクシードライバーほど素敵な商売はない』にて作家デビュー。選手として出場したスポーツは、スキー、ボクシングなど。ラリーにも出場。‘98年『夕刊フジ』に「ハマの流しの運転手」のタイトルで連載を執筆。近著に『パチンコに日本人は20年で540兆円使った』(幻冬舎新書)がある。

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運しかない。だから前を見るのみ


――最近の本にまつわる状況は、昔と比べて変わったと感じますか?


若宮健氏: 昔の本屋さんは、本が好きで好きでしょうがないという人が本屋さんをやっていましたね。よく、「こんな本が入りましたよ」って教えてくれたり。自分で本が好きでやっているものですから、目利きもできるし、店にも温かみがあった。これは書店だけじゃないですけどね。今は案外ビジネスとしてやっている人が多い。話は変わりますけど、意外と韓国に日本の昭和の面影が残っていたりしますよね。僕、カジノの取材とパチンコの取材合わせて6回行っているんですよ。昔行ったのと合わせたら8回。おばあちゃんが店先で店番をしていたり、そういうことがソウルでもいっぱいある。だから、パチンコ問題で、在日の人を目の敵にするのはちょっと違うと思います。パチンコ業界は北朝鮮と韓国系の経営者がほとんどなのは事実ですが、経営者が誰であろうとも、パチンコそのものが悪いのです。

――日本の出版業界についてはいかがですか?


若宮健氏: 最近大手も自費出版に力を入れるようになりました。書き手に負担させるわけですよね。売れたら丸もうけだと言うんでしょうけど、それでは書き手が育たないですよね。お金を儲けるために書くわけではなく、心を伝えるために書いているんです。

――それでは最後に、今後の展望と執筆のテーマをお聞かせください。


若宮健氏: 今は、健康問題と麻薬と2本取り組んでいるんですけど、麻薬は、パチンコより危ないですね。ボディガードの会社からダイレクトメールが来ましたから。都内に3社くらいあって。1日2万円で、VIP待遇になると3人でガードするんですよ。3人でガードして5万円ですって。

――そういうところからダイレクトメールが来るんですね。体を張ってお仕事されていらっしゃる証拠ですね。執筆以外では、挑戦したいことはありますか?


若宮健氏: 執筆以外には、とにかくもう1回海に戻りたいんですよね。たまたま友達から船を借りられることになっているので、乗りたいなと。「体は40歳、心は20歳」、というのが僕のモットーで、とにかく今まで痔以外の病気をしたことがないんです。怪我は数知れないくらいやりました。足は折るわ、腕は折るわ、まだ傷も残っている。これはラリーの傷なんですが、雨の日に山岳ラリーでスリップしたんですよ。で、スリップして横になったとこへ後続の車が突っ込んできた。皆、ああ死んだって思う状況ですよ。ラリーはナビゲーターが付きますから、僕の助手席にナビゲーターがいて。どーんと来たもんですから、僕がナビゲーターをかばうような感じになったんですよ。それで、あばら骨3本折りまして、膝もやられましたね。車を見た人は、これは多分死んだろうという事故でしたね。

――そこで九死に一生を得たのは、やはり体を鍛えていたからですかね?それとも運でしょうか?


若宮健氏: 運でしょ。運しかない。ナビゲーターも無事ですみました。とにかく僕は前しか見ない。それが何より大事です。

(聞き手:沖中幸太郎)

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