鳥の目でグランドデザインを描け
西田文郎氏: これは個人的な見解ですが、どう見ても日本はまずい状態にあると思うのです。少子高齢化が益々進み、今まで後進国だと思っていた国が、非常に強くなってきていて、このまま行ったら、日本との逆転現象が起こる可能性がある。私には孫がいますが、孫の世代では後進国だと思っていた国の方々に、低賃金で使われているかもしれない。
なぜ僕が還暦を過ぎてから、表に出て、いろいろな活動を始めているのかと言えば、日本の経営者をもっと強くしないと日本が滅びるという危機感があるからです。昔から政治家が日本を救ったことはなく、日本を救っているのは税金を払っている人たちなのです。だから、もっと中小企業の経営者を強くしなければいけない。優秀な経営者というのは鳥の目で、ものを見ています。成功しない人は、虫の目で目先のことばかり考えて、これをやってみよう、あれをやってみようと無計画に始めます。
今、新しい会社で早い期間にグループ年商1000億を作ろうとしているのですが、どういう業種がいいかと、百数十個分のビジネスモデルを分析して、その中から4つ始めることになりました。それを実現することで、1%の10億を寄付できる。優秀な経営者は、グランドデザイナーであり、グランドデザインの中に理念がある。だから、理念がなく、ただ目標があるだけでは組織力もできないし、繁栄は続かないですよね。
――最後に、何かにチャレンジしようと考えている若者へのメッセージをお聞かせください。
西田文郎氏: 今、素質が大したことなくても、将来こうなれるというイメージから自分を見ている人が最終的に勝ちます。右の脳でイメージしたことを左脳で詰めていく、つまり分析して問題点を詰めていくのであって、決して夢見る右脳馬鹿、誇大妄想ではありません。根拠のない自信から根拠のある自信、確信にするには、鳥かん図で見られるように勉強をしてください。スポーツ選手でいうと、オリンピックで金メダル取ろう、日本代表になろうと思ったら、その長期イメージを達成するために、しなければいけないことがたくさん出てくる。仕事に関しても生活のためだけではやはり悲し過ぎますから、仕事で何を残そうとしているかという、目的、グランドデザインが必要です。
(聞き手:沖中幸太郎)
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