お金に翻弄されない生き方を伝えていきたい
ファイナンシャル・プランナーの花輪陽子さんは、新聞・雑誌への寄稿、コラムや著書の執筆、テレビ出演や講演等で、家計と貯蓄に関するアドバイスを行っています。活動の原点にあるのは、自らのOL時代の「貯められない」生活、夫婦同時の失業などの苦しい経験です。お金の問題で悩む人に対し、深い共感を持ちながら、ライフスタイルを提言する花輪さんにお話を伺いました。
タブレットを駆使して多ジャンルの読書
――早速ですが、近況をお聞かせください。
花輪陽子氏: テレビの出演がある場合には、企画会議から入らせていただくこともあります。あとは講演などの仕事もいただいているので、地方に行くこともあったりと、移動も多いですね。
――花輪さんはタブレットもお持ちですが、移動の際には利便性はありますか?
花輪陽子氏: 資料が電子であると、どこでも仕事ができるのでありがたいです。家で全部できる仕事もありますが、午後からちょっと会議に出るとか、そういう時はタブレットに情報を入れておきたい。本は500冊以上スキャンしていますが、タブレットに全部を入れているわけではなくて、パソコンに入っている資料を少しずつ持ち運びできるようにしています。新規で買う本は、電子書籍になっているものは電子書籍で買います。実用書は電子書籍の方がいいですね。あとは、漫画もタブレットで読む方が読みやすいです。
――最近、どのような本を読まれていますか?
花輪陽子氏: 独立してから、この4年くらいバタバタしていたので、ビジネス書やマネー本とか、仕事に直接影響を与えるような本ばかり読んでいましたが、最近は教養を高めるような本を中心に読んでいます。Googleの元日本社長の村上憲郎さんが、ご著書でビジネスマンが学んでおくべき知識として、キリスト教と仏教と西洋哲学とアメリカ史を挙げられていましたので、そういった本を読んでいます。
私は20歳の時にアメリカに短期留学して、ヨーロッパの人とディスカッションする中で、英語力が足りない以上に、教養や共有しているコンテンツをシェアできていないことにコンプレックスを感じていたのですが、今やっとそういった本を読みたいと思えるようになってきました。村上さんが薦めていた『誰もが聖書を読むために』という本がすごく面白い。これまでは旅行で美術館を巡っても、宗教画に描かれている背景が全然分からなかったんですけど、楽しめるようになりました。村上春樹さんやドストエフスキーの小説、『エヴァンゲリオン』などのアニメにも、ストーリーの中で聖書がモチーフになっています。それが分かるようになると面白くなります。『カラマーゾフの兄弟』は、光文社文庫から出ている亀山郁夫さんの訳が分かりやすくて、おすすめです。
――仏教については、おすすめの本はありますか?
花輪陽子氏: 私もお坊さんの本を翻訳したことがありますが、プラユキ・ナラテボーさんの『苦しまなくて、いいんだよ』というという本がすごく面白い。初期仏教の教えが書かれているのですが、苦しみを解消して、もっと楽に生きるための実践的な本です。私も、メディアに出るようになって、うれしいメッセージをいただく半面、全然知らない人からいきなり攻撃されたりもします。そういう時の心の持ち様が楽になりました。
世界の歴史を、美術史、宗教、貨幣などの視点から見る本も面白いですね。ちょっとした教養で人生がより豊かになると思います。電子書籍は、古典だと無料のものもありますので、ありがたいです。
――漫画はどういったものがお好きですか?
花輪陽子氏: 私よりも夫が漫画好きですけれど、最近読んだものですと、『ヨルムンガンド』『進撃の巨人』『惡の華』などです。テレビ放映が待ちきれなくて原作を買って読んでいます(笑)。Yahoo!JAPANで連載している『インベスターZ』も面白いです。
著書一覧『 花輪陽子 』