好奇心と行動力を持ち続ける。
――村尾さんは電子書籍を利用されていますか?
村尾隆介氏: 僕はよく電子書籍を読みます。僕は出張が多く、毎日新幹線、飛行機の世界なので、チェックインぎりぎりで本も雑誌も持ってないという時に、ダウンロードして読んでいます。電気を消しても読めるので、最近は、寝る前に漫画もダウンロードして読んだりもします。『ベクター・ケースファイル』という昆虫に関する漫画を読みましたが、すごく面白いです。ほかにも『フリー <無料>からお金を生み出す新戦略』を最近電子書籍で読みました。
――いろいろなものに興味がおありですね。
村尾隆介氏: いろいろなことに前のめりというか、興味、好奇心と、行動力や行動範囲の広さはすごいかもしれません。知らないことがあれば、すぐに聞いたり、ダウンロードしたり買ったりします。30代になってくると、好きなものにしか興味がなくなるのかもしれませんが、好奇心と行動力、これを失わなければもっといろいろなことができるのかなと思います。出張や移動が多いからこそ、電子書籍はとても便利だと思います。出張しながら冊数の多い漫画を読まなければいけないという時には電子書籍は便利だと思います。最近は、飛行機の機内でも国際線ならば電子書籍の漫画などを、前の画面で読めるようになりました。今後はそういう使い方や読み方がもっとはやってくるでしょう。
メッセージを伝える手段は、何通りもあってよい。
――電子書籍で読むことに対しての、書き手としての思いをお聞かせいただけますか?
村尾隆介氏: 僕はいろいろな形があっていいと思います。支払いの形がeコマース、振り込みや着払いなどといろいろあるように、1つのメッセージを伝えるのに、電子書籍、オーディオブック、紙、さらには、イメージに合う写真も加わった写真集版といった形、世界に届けるためにショートフィルム化してネット上で発表するという形もあるわけです。「ワンコンテンツ・マルチユース」という考えで、僕はアイディアやメッセージがいろいろな形で出て行っていいのだと思います。障害を持っている方もたくさんいるわけですから、そういう方に届く方法ということもメッセージを発信する段階、例えば著者ならば、書いている時から考えていくべきだと僕は思います。だからこそ、どの媒体もゼロにはならないと僕は思っています。
――それぞれの特性を活かすということですね。
村尾隆介氏: このコンテンツは電子書籍、これは写真集、これはオーディオブック向きなど、それぞれの特性に合った方法で発信されるようになると思います。セルDVDが普通のDVDだけに特化したコンテンツになっているように、今後は住み分けが進むと思います。僕にも「電子書籍だけで発表したい」と思うものもありますし、ページをめくったら部分的に動く、震えるなどという電子書籍ならではの技術も出てくれば、著者も「こういうコンテンツを電子書籍で試してみたい」という風になっていくと思います。
著書一覧『 村尾隆介 』