嶋口充輝

Profile

慶應義塾大学経済学部卒業後、フルブライト奨学生として渡米。慶應義塾大学、ミシガン州立大学、両大学院の修士・博士課程を修了後、経営学博士号 (Ph.D)。慶應義塾大学助教授、教授を経て、同大学名誉教授および法政大学経営大学院教授に。この間、ルーベン大学、ウェスタン・モンタリオ大学、モスクワ大学、早稲田大学、青山学院大学、多摩大学等の 各大学院客員教授を歴任。数社の社外取締役、企業顧問を兼ねる。 著書に、『顧客満足型マーケティングの構図―新しい企業成長の論理を求めて』『マーケティング・パラダイム―キーワードで読むその本質と革新』(有斐閣)、『ビューティフル・カンパニー ―市場発の経営戦略』(SoftBank Creative)などがある。

Book Information

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人との出会いと「締め切り」が、学究生活を豊かにした



嶋口充輝さんは、マーケティング理論を研究する経営学者です。教育者として、公益団体の役員として、また大手企業の社外役員・顧問として幅広く活躍される一方、多くの論文誌の編集長も務められています。学生時代の大きな病気の体験、恩師や仲間に支えられた学究生活で得られた、周囲の人への感謝を忘れない人生観、そして書籍執筆の原動力にもなっている他者からの働きかけなどについて伺いました。

教え子、仕事仲間から絶えず情報収集


――お仕事の近況をお聞かせください。


嶋口充輝氏: 昨年、法政大学の教授と早稲田大学の客員教授をリタイアしました。元々慶応大学で37、8年間教鞭を執り、その後も様々な学校で教員をやっていましたが、全てクリアにしました。もう大学生活はやめようと思っていたんですが、嘉悦大学の当時の学長である加藤寛先生より博士課程を新設したいというお話があり、博士課程の教授として就任させていただいています。

――団体や企業の役員としてのお仕事も多数されていますね。


嶋口充輝氏: 財団の仕事は昨年、医療科学研究所というところをリタイアさせていただいて、現在は理事の評議員を8つほどさせていただいています。企業の方は、ライオンの社外取締役と、サントリーホールディングスの社外監査役、YKKの経営顧問がメインで、紀文さんは昔から付き合いがあって、アドバイザーのような形になっております。

――大変お忙しいのではないですか?


嶋口充輝氏: 以前よりもゆっくりやらせていただいています。会社の役員会というのは大体、月に1回、多くても2回ぐらい。企業の研修も、昔は週に4、5回は当たり前にやっていましたが、今は年に何回かという状況です。私は肉体的にバタバタしているのはあんまり疲れないんです。頭を使ったり、講演など準備に時間をかけなきゃならなかったりすることが疲れます。今は基本的にはその場で判断して意見を述べるということが多くなりましたから、負担はありません。当日質問を受けても、長い経験があるので、ちょっと考えれば話ができます。経験の中からの情報に、新しい時代の感覚を少しふりかけるような感じです。

――新しい情報はどのように仕入れられているのでしょうか?


嶋口充輝氏: 学生や教え子たちと年中会いますし、会社の方とはいつも会っていますから、そこから情報が得られます。本はあまり読まなくなりましたが、テレビはよく見ています。半分引退したようなしないような状況でも、人とはまだ会いますから、新しい動きとか、世の中の考え方みたいなものは分かるような気がします。

――過去に指導された方々では、研究者や経営者になられた方も多いのでは?


嶋口充輝氏: 私のゼミを出て、教授になったのがもう20人を超えて、みんな私より偉くなっています(笑)。ビジネススクールは、もともと優秀な経営者を育成する機関としてあるものなんですけど、なぜか私のゼミのOBは大学に行って先生になっている人が多いです。コンサルをしながら非常勤講師をしている人を含めれば、膨大な数になります。

――研究者や指導者になられる方が多いのはなぜだとお考えですか?


嶋口充輝氏: ビジネススクールがこの20年ぐらいでたくさんできて、教師が必要になったことが挙げられます。それからもう1つは、私の生活を見て、会社の中で激しいリスクをかけて仕事をするよりずっと楽だと思ったのかもしれません。だいたい昔から、学者だとか役者だとか、儒者だとか、「者」といわれる人たちはリスクを負いません。「者」としてやっていくことは私の性格に合っていて、かなり自由にやってきましたが、それを見て、反面教師的に「あんな楽なことはいかん」という人と、それから同調的に「私たちもやってみよう」という人がいたということでしょう。

著書一覧『 嶋口充輝

この著者のタグ: 『大学教授』 『チャレンジ』 『経営』 『マーケティング』 『研究』 『モチベーション』 『メディア』 『古典』 『経験』

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