編集者の力も借り、本の力を最大に引き出す。
――川島さんの本は毎回フォーマットがなく、面白いですよね。
川島蓉子氏: ありがとうございます。それは、編集者の力だと思います。大好きな対象物を一生懸命書けば書くほど没頭して、それを客観的にみて、「こうすればもっとよくなるよ」ということを言ってくれる第一の読者は編集者です。ビームスの本が売れた時に担当してくださった方がすごくいい編集者で、今後の仕事を全部彼とやろうと思ったんです。それを伝えたら、「川島さん、できるだけたくさんの人とやった方がいいですよ。経歴が全部PHPとかになるとあまりよくないから、いろいろな版元があった方がいい」と。「編集者は著者の引き出しを開ける役だから、いろいろな人とつき合った方が引き出しが開く可能性がある」ということを言われました。だからできるだけ多くの版元とやってきたんですが、ちやほや系の編集者が私はダメなようです。かなりMなので(笑)、バシバシ言われた方が頑張るタイプです。
電子書籍にこだわりはもたない
――書いたものを、読者が電子書籍として読むということに対して、率直に書き手としてどう思われますか?
川島蓉子氏: 媒体はなんであろうが、読んでもらいたいから書いているので、そう思うと、あまりこだわりはないです。ただ一方で、小さい時から紙の本が好きなので、自分は紙で読もうとは思います。やっぱりにおいがしたり手触りがあったり、めくるという行為と記憶が一緒になって結びつくものがありますね。
――装丁などはどうやって決められるんですか?
川島蓉子氏: 自分はデザイン業界に近い仕事をしていますので、大好きなアートディレクターにお願いして手がけていただいたり、編集者に任せてくれと言われればお任せしたりと、様々です。話し合いながら一緒にやりますけれど、最終的な判断は力のある編集者に委ねます。
著書一覧『 川島蓉子 』