高田明典

Profile

1961年、東京都生まれ。早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了、同大学院理工学研究科博士後期課程単位取得満期退学。 (財)PHRFストレス科学研究所研究員、尚美学園大学芸術情報学部情報表現学科専任講師などを経て、現職。専門は現代思想、通信工学、メディア論。 著書に『情報汚染の時代』(KADOKAWA)、『ネットが社会を破壊する─悪意や格差の増幅、知識や良心の汚染、残されるのは劣化した社会』(リーダーズノート)、『コミュニケーションを学ぶ』『現代思想のコミュニケーション的転回』(筑摩書房)など多数。

Book Information

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熱意のぶつかり合いが 良いものを生み出す



フェリス女学院大学文学部コミュニケーション学科の教授を務める高田明典さん。作品構造分析という手法を用いて、様々な文化現象を物語論と記号論、構造主義の面から探求しています。昨今研究者の倫理が問われる中、「世の中のために伝えたい」という気持ちを抱き続ける高田先生の歩んだ道とは――。

分析により、主たる概念をたどっていく


――先生の「作品構造分析ゼミ」ではどのようなことをされているのでしょうか。


高田明典氏: 物語構造分析という手法に基づいて色々やってきています。「シーン分析」という方法を使ったりして、物語の中に存在している構造を明らかにしていこうというのがゼミのテーマとなっています。文化人類学の中では、昔、クロード・レヴィ=ストロースなどがやっていた神話分析や民話分析を基にしたものを、このゼミ用に新たに作り直して、コミックや映画、小説といったものを分析します。その主たる意味の概念をたどっていこうというのが基本的なやり方となっています。

――分析の対象となる作品は様々なのですね。


高田明典氏: ファッションをやったり、流行現象やゲームをやったり、コミックや小説をやったり色々です。今年の卒業論文ではコミックが多いかな。『進撃の巨人』や『ワンピース』、口コミサイトのテキスト分析も多いです。レビューをたくさんとってきて、それを構造分析、潜在意味分析の分析ツールにかけるのです。そうすると様々な構造が出てきて、それをさらに細かく分析していきます。どういう単語が多く使われているかとか、どういう単語とどういう単語が近接して使われているかということによって、その口コミサイトが何を問題にしているのか、あるいは何を不満に思っているのか、そして何に着目しているのかということがわかったりするのです。

――曖昧なものでしか捉えられなかったようなものが数値化されるのは面白そうですね。


高田明典氏: でもノイズなどもあるので、きちんと数値化するのが難しい部分でもあります。ただ、口コミサイトのレビューって、少ないものでも3000~4000、多いものだと5万~10万ぐらい。文字数にすると4〜50万文字と膨大な数になります。今まで人力では分析できなかったものが、コンピューター技術が進歩して、比較的簡単にできるようになりましたね。

――「数字を扱う」文学部なんですね。


高田明典氏: 文学部とはいえ社会学に近いかもしれませんね。社会学系の教員が大半で、社会調査や統計調査、分析をしています。

――活気のあるゼミの姿が浮かんできました。


高田明典氏: うちのゼミは厳しいので、みんなよく勉強します。ここにあるのは本を1冊読ませてノートを取らせる読書ノートです。1年生のうちから、リーディングアサインメント(受講するにあたって、読んでおかなければいけない参考資料)があります。「文献・情報の集め方」という授業では、最終的には文献のリストを作らせます。これは東海大学出版会の『道徳についての思考』ですが、これを読んで読書ノートを書く。いくつかの論文と文献のノートを作り、そのリストを作成するのがこの授業の最後の課題です。授業は120人履修です。私の場合は、15回授業で、だいたい11本、レポートを出させます。

――その添削は、先生が…。


高田明典氏: はい。全部1人で添削して返します。毎週、かなり粘着系の添削をして返すのですが(笑)、今年は100人の授業が2つあるので、毎週200通。初めの頃にがっちり添削して返すと、学生の方も身が引き締まるというか、「先生はしっかり読んでいるし、ちゃんとやらなきゃだめだ」という風に思うのではないでしょうか。

行き帰りの通勤時間が長いので、その時にレポートを添削しています。「他の課題がいっぱい出てたので」とか、「先週、遊びに行っていたので」とかとんでもない理由を言ってくる学生も中にはいます。でも、どんな理由があろうがだめ。だからこちらも「今週は学会の発表があったので、レポートの添削の返却は来週ね」というのはできない。だから死ぬ気で週末に添削します。1枚の添削に、3分くらいかかるので、120人全員が出してくると、だいたい6時間。最近は慣れてきましたが、2本授業があるので、合計で毎週10時間~12時間ぐらい、添削に時間を費やしています(笑)。

史学を学ぶか心理学に進むか 


――先生の活気が重要なんですね。パワフルさを感じます。


高田明典氏: でも小さい頃は、おとなしい子だったと思います。親がとってあった子どもの頃の文集にはもう「研究者、科学者になりたい」と書いてありました。同年代だと多かったのかなと思いますが、『鉄腕アトム』に出ていたお茶の水博士とか、それから『科学忍者隊ガッチャマン』に出ていた南部博士などがかっこよくて、それに憧れていた記憶があります。

――それで、ずっと理系だったのでしょうか。


高田明典氏: 高校2年生ぐらいまで自分でも理科系だと思っていたのですが、たまたまクラスが一緒になった人たちから「一緒にやろうよ」と言われて、同人誌などに書くようになりました。その当時はガリ版でしたね。そうやって色々と文章を書いているうちに「やっぱり心理学系がいいかなあ」と思い始めました。

また、予備校の日本史の先生がすごく面白い先生だったのもあって、歴史の方面に行こうかなとも思っていました。東洋大の日本史の先生で「史学に進みたい」と相談したら、「後々のためには、違う方へ行った方がいいと思うよ」と(笑)。なぜ進みたいのかと問われ「先生の授業の人間の描写とか、歴史の中に生きている人物像とかがすごく面白いと思う」と答えたら、「だったら、心理学の方が面白いじゃん」と言われて、高校3年生の時に心理学に行こうと決めたのです。

――心理学に関する書物なども、その頃から読まれていましたか。


高田明典氏: 高校生の頃はニューアカデミズムが出るちょっと前で、精神分析などが流行っていた時期だったと思います。岸田秀とか、フロイトの本を読んでイメージを膨らませていました。そのイメージを持って大学に進んだら全然違いました。精神分析や分析心理というのは、大学院課程に行かないとやらないのです。

動物心理学、学習心理学を専攻していたので、ネズミの迷路走行などをやっていました。ユングやフロイトなど、心のひだ、闇とか奥底といったものには全然関係ありませんでした。けれど学部の時代も楽しかったですね。心理学のサークルに入っていたので、どっぷりと心理学に浸っていました。我々が学生の頃はよく勉強しましたよ。周りがよく勉強していたので、勉強するのは当たり前のような感じでもありました。のちに大学院に行く人たちとつるんで遊んだりしていたので、女の子や車、スポーツの話にはならず、心理学や哲学の話をよくしていました。

「ギャンブル」と呼ばれた研究者の仕事


――研究者への道に迷いはありませんでしたか。


高田明典氏: 迷ったこともありました。当時の助手からは「大学院に行くなんて、人生をギャンブルに賭けるようなもの。なんでそんなことをするんだ」と言われました。アカデミックポストに就けたからいいようなものの、就けない場合も多いわけですよ。そうすると、下手すると何年も遅れてしまうことになる。卒業したのが85年で、バブルだったこともあり、「同級生はみんないいところへ就職したのに」という気持ちにもなりました。もちろん、バブルの恩恵は我々にもありましたよ。翻訳やプログラミングのバイトなど、今とは比較にならないぐらい報酬が高かったです。

――『難解な本を読む技術』でも、翻訳のことについて書かれていましたね。


高田明典氏: はい。大学院の頃には、もう翻訳のバイトをやっていました。ソフトウェアのマニュアルの翻訳などが多かったです。Windowsの前のバージョン、3.1のエラーメッセージなどをやりました。

同時期に大学院にいった学生は、ほぼ全員、アカデミックポストに就きましたので、比較的ラッキーな世代でした。ポストがなくなったのは、その後です。でも、当時も運・不運はあって、着任時期にかなりズレがありました。やっぱりギャンブルですね。優秀だとしても、その研究テーマとばっちり合っていないと採用にはならない。日本にいくつかしか席がないわけですから、定年になるのを待つか、席が空くのを待つかといった状況。我々の頃は、新しいポストも生まれていました。私もメディア論や、メディア分析などの業績を作りましたし、同級生もそういう新しくできたポストに、半分ぐらいは入っていったのかなと思います。でも今は新しいポストもないし、むしろポストはどんどん減らされていますよね。

――大学院で工学分野へと進まれたのは。


高田明典氏: 脳機能とか、脳に磁気をかけるといったことをしていたら、「それでは心理の博士後期課程には行けないよ」と言われていて、困ったなと思っていたのです。そういった時、先輩から「うちにくれば?」と言われたのがきっかけでした。早大理工研の内山明彦先生の研究室で、心臓ペースメーカーを日本で最初に作った医用電子工学の研究室でした。そこでは、大まかに医用電子のいわゆるME(メディカルエレクトロニクス)機器を作っている班と、データの計測をしたり解析をしたりするという班の2つに分かれていました。

――まだ確立されてない分野を新しく作り上げたり、解析したり分析するということは、それ特有の難しさがありそうですね。


高田明典氏: いわゆる萌芽的研究というものも、ギャンブルなんですよね。うまくいくかどうかはわかりませんし、委託研究費が打ち切られると、研究そのものがなくなってしまうのです。物を作らないといけないけれど、金型1つ発注するだけでも数十万円かかるので、理工研はお金がないと動けないんですよ。うちの場合は、当時はわりと大所帯で、院生と助手など全部含めて30人以上いて、バブルは弾けていたものの、委託研究費は比較的あったようです。ただ、始めたけれど、全くうまくいかなかったというものはたくさんあります。ものになった研究というのは1、2割ぐらいだったかなと思います。

変な理由で研究そのものが打ち切られるものもたくさんあります。機能的な製品などの効果の検証などで、「効果はありません」という結論を出すと、研究費は打ち切られます。「この統計処理で、よくその結論を出したな」というようなものを、平気でやっている他大の研究室なども残念ながらあったように感じます。

――研究倫理が問われますね。


高田明典氏: 一部にそういう人たちがいて、需要も多いのかもしれませんが、我々は厳しい研究倫理で鍛えられてきました。いい先生にも巡り会いましたし、いい同僚や先輩にも恵まれましたので、楽しかったですね。

編集者との攻防


――本はどういう時間に書かれているのでしょうか。


高田明典氏: 書くのが早いと思われているような気もしますが、普通の書き手の3倍ぐらいの時間をかけているのではないかと思います。趣味はあまりないし、テレビも見ないし、夏休みは、犬の散歩と食事とトイレ以外は部屋から出ません。だから1日のうち、14時間ぐらいはパソコンの前にいます。勉強とものを書くのが趣味みたいなもの。

実は書くのが遅いんじゃないかなと、最近思っているのです。私は本を読みこむことに時間を費やします。本や論文には穴がたくさんあるのですが、穴がないように書きたいという気持ちが強いのです。プロの研究者はみんな同じかもしれませんね。「この人の文献が参照されてない」とか、「こういう研究への記述がない」といった、強迫観念が強いのではないかと思います。1つひとつ丹念に埋めていきたいというか、自分の原稿の穴を探したいんです。

新書などだと、おおむね10万文字という制限があり、「ここを削れ」と言われて削ると、そこに大きな穴が開くので、1万字削っても、かえってその穴を埋めるために2万字増えてしまったりするのです。私の場合は、長年付き合っている編集者とばかり仕事をしているので、「ここのところ、ごっそりいらないんじゃないですか?」とか「3分の2にしてくれ」などと平気で言ってきます。しょうがないなと思いますが、「どんだけ苦労して書いたと思ってるんだ」と思いましたよ(笑)。

――先生にとって編集者とは。


高田明典氏: 著者と編集者はスポーツ選手とコーチのような関係だと思います。走っているのは確かに私かもしれませんが、本を読むと「え、これ、誰の本?」「こんなんだっけ?」って思うときもありました。最後はもちろん私が全部書いているのですが、編集者の疑問点を埋めていっているうちに、編集者の思惑通りになっていくという感じもあります。哲学系や思想系だと、編集者の知識も半端なものではないので、内容的にかなり突っ込んできます。ある意味で「鍛えられる」感じですね。

私が知らない部分について聞かれたり、「この人のこの文献はどうなんでしょうかね」などと言われることもあります。私が一緒に仕事をした編集者は、全員そういった熱意と知識のある人でした。私の場合は、若い頃から書き手をやっているので、赤が入ったり、色々言われても、なんとも思いません。新しい編集担当者と仕事をしたとしても、「この人は、言っても大丈夫」というのが、匂いでわかるのではないでしょうか。色々と言ってもらって、一緒に作っていく方が、楽しいと思います。意見を言い合わないで出版した後に、大変なことになっても困ります。穴のないものを、世の中に届けることが大事です。

電子の便利さと、紙ならではの良さ


――編集者と意見を交わす事で生まれてくるんですね。


高田明典氏: 電子書籍についても、編集者ともよく話しますよ。毎年「今年あたりブレイクするんじゃないのかな」と言っていて、もう5、6年。「どうして流行らないんだろうね」と、編集者と飲む時に、いつも話しています。おそらく、高いのではないかと思うのです。早く手に入れられるということで、英語版を電子書籍で買うことはあります。でも最近は、Amazonも在庫があれば、当日、あるいは翌日に届いたりするので、やっぱり紙の本かなと思ってしまいます。よっぽど急いでいる時以外は、電子書籍は買いません。

移動中はKindle for iPhoneで読んでいるのですが、ベッドやソファに寝転んで読むのは難しいですね。ベッドで読むのなら紙の本の方がいい。だからベッドで読んでも壊れないとか、よだれを垂らしても壊れないとか、うとうとして額に落ちてきて「ゴンッ」となっても痛くないくらい軽いものだったら、いいかもしれない(笑)。タブレットは意外と大きいですが、小さくても読みにくい。やはり難しいところです。

――電子ペーパーのようなものになればいいですね。


高田明典氏: そこまでいけばいいと思います。あと、今の時点では言われているほど可搬性が良くないのかなとも思います。だから私は、ほとんど家のパソコンで読んでいます。でも日本のKindleだとKindle for PCで読めるものが少ないのです。自分の家のパソコンで読めるかどうかというのも、調べないとわからないことも多いのです。家に帰ってPCで見て、「なんだ、Kindle for PCは対象外じゃん」ということもありました。

ただ、ネットなどの登場により、以前は毎週のように通っていた国会図書館にも、もう何年も行っていないし、神田にも以前ほどは行かなくなりました。今は古書店もネット通販サイトを開いていますよね。私も自炊を500冊くらいまでやったのですが、そこで、本を切る刃が折れて、「500ぐらいでダメになっちゃうのか」と心も折れて、それ以降はやっていません(笑)。うちに本が溢れ過ぎていたので、1カ月頑張りました。一生懸命やりましたが、1日20ぐらいが限界で、それでも家にある本の2~3%ぐらいしか減りませんでした。この50倍やらないといけないと思うと、続けるのは無理でしたよ。

「良い棚」を見ること


――どちらで本を購入されることが多いのでしょうか。


高田明典氏: ジュンク堂書店などで見てから買うこともあります。でも重いから、Amazonで買うこともありますね。池袋ジュンク堂に行ったら、一番上の9階から地下1階の漫画まで、舐めるように見ます(笑)。池袋西武のリブロへ行ってから、ジュンク堂へ行くというように、半日ぐらい本屋にいた時期もあります。今は1カ月に1回ぐらいかな。可読性というか、全体を包括的に理解するためには、本屋さんの棚を見ることが重要。授業でも「本屋さんに行って棚を見なさい」と言っています。

自分が興味をもった分野の棚にどんな本があったか、というような棚見のレポートを書かせるんです。「できるだけたくさんの、できるだけ大きな本屋に行け。小さな書店の棚だけ見て済まそうとする奴にはCを付ける」と言っています(笑)。ジュンクや書泉グランデ、あるいは八重洲ブックセンターなどの大型書店に行って、自分が興味をもった分野のコーナーが何メートルあって、何冊本があって、こういったものがあって、というのを全部やってこいというのが、第4回の課題となっています。私はいい棚が好きなのです。

――高田さんにとっての「良い棚」とは。


高田明典氏: 編集者の中には「あそこの棚はいいから、今度、見てきてよ」などという人もいますよ。私たちは、酒を飲んで、棚話で盛り上がるんです。入門書や概論書から「これは!」と思うものまで揃っていると「ああ、いい棚だな。この棚の担当者すごいな」と思うわけです。「この2列でよくこのラインナップまで揃えたな、すごい」と感心するのです。編集者と一緒に、棚巡回とかもしていますよ(笑)。「芳林堂、良いから今度行ってみようよ」ということになり、「ここの棚、いいね」と2人で棚の前で話をします。古書店は、勝手に仕入れられるわけではないので、仕方ないなとは思いますが、神田の専門古書店の棚などはやっぱりいいですね。でも、そうやってどんどん買っていったら、それこそ書棚に入りきらないので、いかに我慢するか。帰りの電車の中でクールダウンして、家に帰って「あれを買ったら、本当に読むか?」と自分に問いかけなければならないほどです。

必要な情報を本にのせて


――どのような思いで書かれていますか。


高田明典氏: 今は正義論、真理論のようなものを書いているのですが、最近は「このテーマで」と、編集者が言ってくる依頼原稿がほとんどなのです。でも書いていると楽しくなってくるし、どんどん「伝えたい」という気持ちが大きくなっていきます。必要なものを届けたいという思いが強いですね。「これは私が調べて気付いたことだけど、これどう?」と提供しているだけ。それを「役に立った」とか「必要だった」と私が思ったからこそ、それを必要としている人が何千人か何万人かはいるだろうと思うのです。決して「これを使った方がいいぞ」という気持ちで書いているわけではありません。私が書いたことによって、何かに少しでも気づいてくれて、その人の生活や考え方が変わったり、より芳醇な生活を営めるようになったりすれば、それでいいのかなという気がします。

社会とのつながりを持ちつつ、ずれないようにしておかないとまずいなと、若い頃から考えていました。編集者と会って評判を聞いたり、本のフィードバックやレスポンスを見てみたりすると、「今回のは、ちょっとだめだったな」とか、「こういうのにニーズがあるのか」という社会の風を肌で感じることができます。その感覚をなくしてしまうと、きっと研究もどんどんずれていくと思うのです。そうならないためにも、つながりは必要なことだと思います。

――書いて世に送り届けるのは、社会との接点を保つ行為なのですね。


高田明典氏: しかし書かなければいけないものが、溜まり過ぎています(笑)。哲学史の本を書かないといけないのですが、それが、本が大量に溜まっていることの1つの原因となっています。哲学史は莫大な資料が必要だし、私は穴なくやりたいので、大変な量となっています。やっと今「教父哲学」、キリスト教の入り口のところまでいきました。ここは周りにクリスチャンがたくさんいるし、うちの学科にはキリスト教学の専門家が2人もいます。その人たちから聞いて色々と勉強しているうちに、すごく面白くなってしまいました。廊下で会う度に捕まえて話を聞いているうちに、本を書くのが止まってしまって、そこから早2年(笑)。それと、「科学と宗教」についての原稿。ケン・ウィルバーなどがうまく消化できていないかなと思うので、少しきちんとやった方がいいかなと考えています。でもやっぱり真理論もやりたいですね。この調子だと、まだまだ時間がかかりそうです(笑)。

(聞き手:沖中幸太郎)

著書一覧『 高田明典

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