菅原裕子

Profile

1977年より人材開発コンサルタントとして、企業の人材育成の仕事に携わる。 企業の人育てと自分自身の子育てという2つの「能力開発」の現場での体験をもとに、子どもが自分らしく生きることを援助したい大人のためのプログラム-ハートフルコミュニケーション-を開発し、1999年には有限会社ワイズコミュニケーション設立。企業を対象とした研修や企業文化変革のコンサルティングやプログラムを提供するかたわら、ハートフルコミュニケーションの活動にも力を入れる。 著書に『子どもの「やる気」のコーチング』『子どもの心のコーチング』『思いを「伝える」技術』(PHP研究所)、『ひびわれ壺 子育てに大切なことがわかる小さな物語』(二見書房)など多数。

Book Information

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半歩先の知恵を書く



菅原裕子氏: 出版社に「菅原さん、本を書きましょう」と声をかけていただいたのです。でも、何を書けばいいのかわかりませんでした。独立したころ、講演の時にでも買っていただこうと思って作った、ハートフルコミュニケーションの小冊子を持っていたので、「これですか」と聞くと、「今やっていることを書きなさい」と言われたのです。初めてなので、本の書き方も分からず、不安でしたが、編集者に書いては見せて、直してもらって、という作業を繰り返してできあがりました。それから間もなくして、講談社現代新書から「コーチングの本を書きませんか」という話が来て、二冊目の『コーチングの技術』を書くことになったのです。

――本を書く時、どんなことを意識していますか。


菅原裕子氏: 大事なことは、人々が何を聞きたいか、どんな知恵を求めているかだと思います。私が学んできて思っていることをみんなが知れば、もっと色々なことが簡単にできると思うのですが、あまりに全部を書いても、みなさんが喜んでくださるかというと、そうでもない。半歩くらい先のことであれば、「これは面白い」「簡単に読めました」「やってみたいと思います」というような反応です。だから『子どもの心のコーチング』は、まさに半歩先の本だったので、たくさんの方に読んでいただけたのだと思います。

――半歩先というのはどういう感覚なのでしょう。


菅原裕子氏: 身近に感じるということでしょうか。読んだ人が「私もこう思っていたけど、言葉にするのは難しかった。それをこの人は言葉にしてくれている。ありがとう。私、やってみるわ」となるような感じが一番いいのかなと思います。

編集者に励まされて


――そういうふうに導いてくれるのが編集者ですね。


菅原裕子氏: そうですね。よく、言葉が難しいと言われます。私は仕事の世界で生きてきた人間なので、ビジネス用語を使ってしまいます。ビジネス用語は、聞く人にとって硬くて難しくて冷たい。『子どもの心のコーチング』とか、子育ての本にビジネス用語を使ってもね。だから、1冊の本を書くのにすごく時間がかかって、嫌になりますけど、編集者に励まされながら書いています。編集者は、読者が読みたがっているものを教えてくれたり、だからこういうことを書きましょうという指針を示してくれます。それに私の言いたいことを合わせれば、世の中に出せる。そういうアイデアをいただけます。間もなく、3月17日ころ、次の本が出る予定です。今回の本は、今まで私が書いてきた本から、色々なテーマをピックアップして、それぞれを深めていくような本です。この本も、編集者から「こういう本を作りましょう」というアイデアをいただいて実現しました。

著書一覧『 菅原裕子

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