我ら“アーカイバー”
――先祖巡りを通しての様々な成果が、本にまとめられています。
丸山学氏: 地方に行くと、江戸時代の武士の記録が色々なところに残っていますが、ほとんどが活字化されておらず、まとまってもいないので、それを辿っていくのはとても困難です。僕はこれを一つにまとめたいと思っています。ご先祖様を辿るとき、農民であった場合は比較的流動せず、記録にも当たりやすいのですが、武士の場合は少し大変です。明治の廃藩置県で失業して、土地を移動した家が多いのです。だから戸籍をたどっても、上の代の名前だけとか、途中に不備があってよくわからなかったりします。
そこで、一つにまとまった記録があれば、名前だけでも辿ることが出来るようになります。江戸時代の武家の氏名や、色々な地域のその時代の記録なども含めた、全体的なデーターベースを作って、簡単に検索できるようにと考えています。全国の資料を集めたり、崩し字を読んでデーターベースを作ったりということは、まだ誰もされていないので、新たな挑戦です。自分もそこに、役に立てるものを残したいと望んでいます。
――丸山さんは “アーカイバー”なんですね。
丸山学氏: いいですね!“ユーチューバー”みたいで(笑)。自分はいったい何者なのか、ずっと考えていましたがすっきりしましたよ。“アーカイバー”いいですね。今、新たな取り組みとして、ご先祖探しで得た個後の成果をその家のために本に残し、出版するということをやっています。家系図作成のお手伝いをする中で、依頼人からの要望で生まれたものです。去年から始めて、すでに二冊出来上がっています。国会図書館に納品するので、永久に記録されます。
ご先祖探しは、辿り着くためのテクニカルな部分と、想いを馳せる感情的な部分があります。
デジタルの強みである検索をいかしつつ、想いを馳せることが出来るような、ご先祖探しや家系図についての本を、新たに作っていきたいですね。
(聞き手:沖中幸太郎)
著書一覧『 丸山学 』