“思い込み”の蓋を外そう
――その後、活動で得た様々な知見を本に記されるようになります。
谷口祥子氏: 大学時代、「ジェフ・ベック奏法」とか「エリック・クラプトン奏法」の横に、「谷口祥子奏法」というギターの教則本が並ぶ妄想をしていました(笑)。ギタリストにはなれなかったので、教則本を出すという妄想は現実化しませんでしたが、おかげさまでビジネス書の著者になることはできました。処女作の出版から、かれこれ8年が経ち、気づけば著作が7冊になっています。色々な編集者の方と一緒に本作りを通して、これまでの経験から得られた学びを皆様にお伝えすることが出来るのはこの上ない喜びです。私の気づかないリソースを見いだし引き出してくれ、さらにはそれを世の中、読者につなげてくれる大切な存在が編集者で、その思いを届けてくれる「本」は、かけがえのない存在です。
「本」は、人類が長年かけて蓄積した知識や経験が凝縮された、素晴らしい宝物だと思います。本を読むという習慣は、人類の叡智を吸収する行為です。せっかくだから、ただ読むだけではなく、付箋を貼ったり、線を引いたり、あるいは読書ノートをつくって、重要なポイントを書き出したりして、しっかり人生に活かしてほしいですね。
私は、人と人が互いに尊重しあい支えあえる社会づくりのために、人づきあいにおけるマインドづくりや会話のスキルという分野でお役に立ちたいと思っています。最先端の心理学を学んでいく中で、満を持して提供できるようになったのが、この“思いこみクリアリング”プログラムなのです。私たちの意識を氷山にたとえるなら、氷山の海から出ている部分が顕在意識、海の下に沈んでいる約9割が潜在意識です。思い込みクリアリングプログラムでは、この顕在意識レベルのところを主にコーチングで、潜在意識レベルのところをセラピーで扱います。私たちの行動の9割以上が、潜在意識によってコントロールされていると言われています。
コーチングとセラピーというふたつの柱があることで、パワフルに望む未来を引き寄せることができるのです。
過去のトラウマに起因する思い込みを根こそぎ解消し、人の持つ限りない可能性を引き出すアプローチで、これからも多くの人々を長年抱えてきた心の問題をから解放するお手伝いをしてまいります。そしてそのプロセスで得られた学びや気づきを、「本」という形で、社会に還元していきたいと思います。
(聞き手:沖中幸太郎)
著書一覧『 谷口祥子 』