中島孝志

Profile

1957年、東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業、南カルフォルニア大学大学院修了。PHP研究所、東洋経済新報社を経て独立。経営コンサルタント、経済評論家、ジャーナリスト、作家 (ペンネームは別) 、出版プロデューサー、大学・ビジネススクール講師、等々。「キーマンネットワーク定例会」(28年の老舗勉強会)のほか、「原理原則研究会」(東京、大阪、博多)、「松下幸之助経営研究会」なども主宰。講演・セミナーは銀行、メーカー、外資系企業等で超人気。著訳書は230冊超。プロデュース500冊超。読書は年間3000冊ペース。毎日更新のインテリジェンス音声情報サイト「中島孝志の 聴く!通勤快読」が大人気。

Book Information

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本に磨かれ、本を遊び、そして本で稼ぐ。



中島孝志さんの仕事は一言では説明できません。経営コンサルタントであり、著訳書230冊を超える作家でもあり、数々のヒット作を生み出す書籍プロデューサー、そして、音声による書評サイト「中島孝志の聴く!通勤快読」で人気を博すプロの「読み手」でもあります。そんな中島さんに、仕事のスタイル、1年で3000冊という読書の方法、電子書籍や書店の展望などについてお聞きしました。

「会いたい」という人とは縁がある。門前払いはしない。


――色々な分野でご活躍されていますが、近況を教えていただけますか?


中島孝志氏: 9月の半ばから、第12期の「原理原則研究会」というのがあります。1年間の会員制の勉強会で、今回新しく11人が入ってくるからトータルで50人ぐらいです。東京は12年目ですが、今年の1月から大阪でもやっていまして、来年3月位に大阪も第2期が始まります。で、ついでに年内に博多でも、「原理原則研究会in博多」というのを作っちゃおうかなと思っています。近況というと、実は今横浜と熊本で月半分ずつ生活しているんですよ。先々週にこちらに帰ってきたばかりで、再来週からまた熊本に行くんです。なぜかというと義理の兄貴がミネラルウォーター工場を作っちゃいまして。で、それのマネジメントをする人がいないので、結局月1回だけ2週間私が向こうの工場に行くんです。マンションも向こうに用意して。工場の2階に座敷があって、そこが私の仕事場になっている(笑)。普段はコンサルだから、ああしろ、こうしろと言うということをやるしかないけど、そこだとオペレーションまでやっていますね。あとは本が9月に3冊、新刊が出ました。プロデュースをしている本も10月に2冊ぐらい出るかな。自分の本は月1冊ペースだけどほかの人のプロデュースがもっと多いから。そういうのをいつも通りゴチャゴチャやっているということですね。

――近況をお聞きするだけでご多忙さが伺われますが、中島さんが執筆等のお仕事をどのようなスタイルでされているのか興味があります。


中島孝志氏: 書くことは横浜でも熊本でもどっちでもできますからね。データのインプットもやってもらう人なんか決まっているから。私は基本的に、しゃべりではまとめられない。書かないと発想が思い浮かばないみたいでね。指が覚えているというか、指に引き出されて脳が動くようなところがあって。だからどこに行こうが仕事はできるので、気づいたらノマドライフをやっちゃっていた。企画は色々なところで思い浮かぶし、プロデュースの依頼はどこでもメールか何かで、とんでもない人たちから来る(笑)。ブログで「あなたも本を出しませんか」みたいに言うと色々来るわけです。全然企画も考えてなければ、何を書いていいかもわからない「お金を出すからなんとかしてください」という調子のいい奴から、「もう原稿も全部できあがっています」っていう面倒くさくない人たちまで千差万別なんですけれどね。何も考えていない人も、一応門前払いはしないんですよ。基本的にご縁があると思っています。わざわざ「一度会ってください」とか連絡してくれるだけでも偉いなと思っていましてね。勉強会を少なくとも毎月1回はやっているので、その前の時間に来てもらったりしています。

コンセプトは「遊びをせんとや生れけむ」


――「ご縁」というお話がありましたが、中島さんは勉強会のメンバーの方々との交流も非常に大切にしているそうですね。


中島孝志氏: そうですね。例えば京都で年に1回、祇園で舞妓さんがどんちゃん騒ぎをやるという花見の会をやっているんです。これは東京の経営者が京都に行くんですけれど、そこの料亭も義理の兄貴が持っているんですよね。外資系に取られそうだったのでファンドを作ってですね。一人500万円ずつ出させて買い取ったんですよ。だから使わなくちゃいけないので、毎年1回だけ、花見のシーズンにずっと10年先ぐらいまで予約していて。そこの女将は1級建築士なんです。夜だけ三味線を弾いて女将さんになる(笑)。そういうことで京都には毎年行っています。現在熊本には毎月行っているので、5月の連休中に12人、東京から経営者が来まして、熊本をご案内して、あと温泉を色々案内してみんなで美味しいところへ行って、向こうの経営者もちょっと引き合わせたりしました。まあ要は遊んでいるんだけど。もともと、原理原則研究会のコンセプトは、後白河法皇じゃないけれど「遊びをせんとや生れけむ、戯れせんとや生れけん」なので。皆さん色々、遊びながら勉強をしましょうというね。まあそんなことをやっています。

――遊びも仕事の重要な要素になっているんですね。企画やプロデュースのアイデアも、仕事以外の時間に浮かぶことが多いのでしょうか?


中島孝志氏: 宿題として一度考えた後、ほったらかしにしておくと、飲んでいたり寝ていたりしていても頭のどこかに残っているわけですよ。すると何かのきっかけで、タイトルはこうしようとか、前書きを全部変えちゃおう、みたいなことが場所を選ばず浮かぶんです。あとは書店を回っていると、いっぱいタイトルが見えますよね。「あ、このタイトルはおもしろいな」と思うと、ちょっと参考にさせてもらったり。「このタイトルとこのタイトルを併せてやったらおもしろいな」、とかね。本をプロデュースする時には、タイトルとコンセプトと章立てと目次を全部作ってしまうわけですけれど、マーケットを想定しながら、読者がどういう言葉を出したら買うのかなとか、どういうところに引っかかりがあって食い付いてくるのか、なんていつも考えているんですね。小見出しの一つ一つはこんな風なネーミングにしようとか。コピーみたいなものって、しょっちゅう考えざるを得ないんです。そんなことをずっとやってきているので、なんか習慣になってしまっていますよね。

年間3000冊! 仕事で必要な本はさっさと読む。


――中島さんの知識やアイデアの源泉になっているのは、なんといっても豊富な読書量だと思います。年間3000冊という膨大な数の本を読まれているそうですが、本の読み方に秘訣はあるのでしょうか?


中島孝志氏: 高校時代から読書中毒で、高校時代は1日2冊って決めていたんですよ。で、社会人とか大学生、大学院とかになったら少なくなるかなと思ったら、もっと多くなって、社会人になったらけた違いに増えちゃって、独立したらもっともっと多くなっちゃった。
というのは、ただの普通の読書フリークだったら良かったんだけれど、人のプロデュースをするでしょう。例えば、お医者さんが本を出したいと言ってきたとしますよね。その人の専門分野だけだと専門書になっちゃっておもしろくないので、その周辺の文献だとか、そういうのを山ほど、50冊ぐらいは準備として読んでおかないといけないわけです。そういうのが年間、何人もいるわけですよね。そういう本って基本的に好きで読む本じゃないから、さっさと終わらせたいわけですよ。だからできもしない速読を一生懸命やるしかない。普通の人よりは読むのが速いと思うんだけれど、その時はさらにアクセル目いっぱいふかして読まないと、自分の好きなものが読めなくなっちゃいますから。だから3000冊かどうかはわからないんですよ。もっと多いかもしれない。私、8月決算なのでこの前同級生の税理士に来てもらったら、「また今回も本代に相当使っているよな」と言われて。で、換算すると3000冊超えている。本当は4000冊かもしれないし5000冊かもしれない。ただ2割は読んでないですね。いわゆる失敗しちゃったっていうのがあるでしょう。資料として買ったとしても失敗したのがあって、これはもう最初から捨てちゃうので。あと、読んでいると類似書があって、この先もこの展開だったら前に読んだやつと同じだなと思うと、それも捨てちゃう。だから結局、ちゃんと読んでいるのは半分ですね。2割はまるっきり最初から読まないし。で、途中で放り投げちゃうのも2割ぐらいあるし。だからたいしたことはないですよ。

――「通勤快読」の書評を更新していくのも相当な数の本を読まなければ不可能ですね。


中島孝志氏: 通勤快読は毎日1冊ずつ取り上げて、テキストと音声でやりますが、大体、短い時で10分、長い時で15分。30分も何回かやったことがあるけど、あまりに長くて迷惑になるのでやめたんですよ。それでも情報量としてはかなりのもので、自分が読んでわかっただけじゃなくて、人にわかるようにちゃんとお伝えしようということで、かなり親切な読み方、お届けの仕方をしているんです。

著書一覧『 中島孝志

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