渋井真帆

Profile

1971年生まれ。94年立教大学経済学部経済学科卒業。銀行、専業主婦、百貨店販売、証券会社などを経て、2000年28歳のときに独立。企業向けの人材教育、販売コンサルティングの受託のほか、TV、雑誌でも活躍。2012年11月、処女小説「ザ・ロスチャイルド」が第4回城山三郎経済小説大賞受賞。同作品は2013年6月刊行予定。著書に『渋井真帆の日経新聞読みこなし隊』(日本経済新聞出版社)、『仕事心の育て方』 (小学館)などがある。

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処女作『ザ・ロスチャイルド』を皮切りに、魅力的な男たちを描く



渋井真帆さんは1994年立教大学経済学部経済学科卒業後、都市銀行、百貨店販売、証券会社勤務を経て2000年、28歳のときに独立起業、現在は株式会社エムエス研修企画取締役として、人材教育、販売コンサルティングの傍ら、ビジネス書作家としても著名で、『ビジネス思考力入門講座』 『何をやってもダメだった私が、教わったこと。気づいたこと。実行したこと。』 『仕事心の育て方』など著書も多数書かれています。小説など新しいジャンルにも挑戦されている渋井さんに、本とのかかわり方、電子書籍についてのお考えなどを伺いました。

第4回城山三郎経済小説大賞受賞、小説家への転向も視野に


――ここ最近、色々な新しいチャレンジをされているようですね。


渋井真帆氏: そうですね。2年ほど前から小説を書き始めて、おかげさまで『ザ・ロスチャイルド』が第4回城山三郎経済小説大賞をいただきました。これからは小説の執筆を、今までの仕事と並行しながら相乗効果をもたせてやっていきたいなと思っています。今日、自分の日程表を確認してみたのですが、大きく4つの仕事に日々が分かれています。経営者向け講演会、企業の中堅マネージャークラスのビジネス研修、女性活用を図る会社のアドバイザー、最後が『ザ・ロスチャイルド』の原稿の仕上げ、さらに平行して次回作の取材も始めました。

――では表現活動のほうにシフトしながらも、今までの活動も続けられているんですね。


渋井真帆氏: 『ザ・ロスチャイルド』の受賞にあたって、作品のリアリティーを大いに評価していただいたと聞いています。おそらく、自分自身がビジネスの世界を肌で感じられる場所にいるということが、創作活動に非常に役に立っているのだと思います。

――そもそも小説をお書きになろうとしたきっかけはなんだったのでしょうか?


渋井真帆氏: 振り返ってみたら物語を作るのが大好きだったんですよ。子どものころから変わり者で、小学校の時に一番好きだったのが、学校の裏庭で1人、ダンゴムシを掘ることだったんです。ダンゴムシにはそれぞれ特徴があって、1匹たりとも同じ個体はない。1匹1匹に名前を付けて、集めた虫をじっと観察しながら、自分の中でドラマを作っていました。当然周りから見たら変な子ですよね。親にも「校庭で皆と遊びなさい」と言われてしまって。小学1年生にして「やっぱり人間は、自分の好きなことだけをやっていちゃいけないんだな」と悟りました。それで「じゃあ、自由な時間のせめて何%かは人と交わることにするか」と幼いなりに考えたんです。

――すごいですね(笑)


渋井真帆氏: 仕方がないから、次は紙の着せ替え人形で遊ぶことにして、その着せ替え人形で自分のドラマを作るようになりました。今にして思うと、自分にとっておままごとや着せ替え人形は、他者とのコミュニケーション手段ではなく、物語を紡ぐ表現手段だったんですね。でも、小学校3、4年生になっても部屋で独り着せ替え人形をして遊んでいると、また親が心配するんですよ。子供なりに社会生活的な義務だと考えて、とりあえず友達とも外で遊ぶようにしました。

――そんなことを冷静に考えてらっしゃるわけですよね。


渋井真帆氏: 子どもの頃から老成していたんですね(笑)。着せ替え遊びからの卒業を決意したころに、小学校の課外クラブ活動に「影絵クラブ」が新しくできたんです。「これだ!」と思って、胸をときめかせながら申込名簿に氏名を書き込みました。小学校4年生のときです。めでたくクラブに入って、何を上演するかという話になった時に、シェイクスピアの『真夏の夜の夢』にしたいって主張したんです。もちろん当時はシェイクスピアが誰かすら分かっていません。何となく気に入ってしまったんです。けれど大人でも難解な作品ですから、先生は困ってしまって別のものをすすめるのに、頑としてゆずらない。クラブの仲間も勢いに押されて賛成してしまう。問題児ですよね(笑)。それからハサミやカッターでちょきちょきと、影絵を一所懸命に作ったわけです、妖精パックとか。発表会で15分の上演時間をもらったのですが、みんな爆睡でした(笑)。

――そのころから、発信者としての素質はあったんですね。


夫のすすめで、小説を書き始めた



渋井真帆氏: マイペースに自分がやりたいことをやるタイプだと思います(笑)。独立起業もいきなりでした。そもそも小説を書くきっかけというのが、主人の「君、小説を書いたら」という一言なんです。うちは結婚18年になるんですが、いつも食卓で歴史の話や史上の人物のことを、私が一方的に主人に話すんです。「こういう時代背景であれば、定説としてはこうだけど、この要素を入れたらこうなるだろう」とか(笑)。そういうことが楽しくて、ずっとしゃべっているんです。ある日、夫が「いっそのこと小説を書いてみたら・・・」と言ったんです。たぶん辟易していたのだろうと思います。
だけど「それも面白そう」だと試しに書いてみたら、書けるんです。「あれ?」という感じで。十枚くらい原稿を書いて「どう思う?」って聞いたら、「ああ、君って男の気持ちは分かるんだね」としみじみ言われたんです。自分の仕事の軌跡をふりかえると、ずっと男性を見ている立場だった。そのせいか自分自身をふくめて女性の気持ちにたいする興味があまり無いみたいです(笑)。だから私には女性の心をつづった恋愛小説は書けないし、今のところ書きたいという気も起きない。やはり歴史や政治小説などが自分が萌えるジャンルなんだろうな、とその時に発見しました。

――本当に楽しんでやってらっしゃるんですね。


渋井真帆氏: はい、楽しいです。興味の方向がそちらに向いているんです。自分の中では小説=人間模様だと思っている。人間模様に欲望はつきものですが、自分は経済的欲望とか政治的欲望というものに、とても関心、興味があるんです。これらの欲望模様をリアリティーを持って描ける人って実はそれほど多くはないから、そこに自分の個性を生かせるかなと。今回の『ザ・ロスチャイルド』では、偉大な男たちにも偉大になる前があって、そこから彼らがどうやって這い上がっていったのかというドラマを描きました。物語の中のナポレオン・ボナパルトや金融ロスチャイルド一家、そのほか世界史でもおなじみの面々の生き方や欲望、栄光と転落に、たくさんの男性がおそらく共感してくれると思います。

少子化へ向かう時代、真の女性活用とは


――男女雇用機会均等法も制定されて長いこと経ちますけれども、女性の社会進出については、どうお考えでしょうか?


渋井真帆氏: 私は今年42歳になりますが、40代の女性たちは、仕事でも中堅社員になって責任も重くなっているし、プライベートでも仕事と家庭の両立で苦しんでいると思います。一方、日本の人口が減ってきている以上、いずれ男性も女性たちと同じくらいの比重で家庭や介護を背負わなくてはいけない。だからこれは女性だけの問題ではないと思います。こうした将来の課題に対して企業も制度を変えるなど対応していますが、全体的に見ると問題意識は低いと感じます。もう少し積極的に対応していかないと、従業員の方々が職場で力を発揮して働くということが、難しくなっていくのではと懸念しています。

――それが3つ目の女性活用につながるのでしょうか?


渋井真帆氏: 女性活用は、中長期的な企業の経営戦略につながるようになってきました。将来的に、少子化によって男性社員も介護負担を負っていく可能性大です。独身の男性も増えていますし、兄弟姉妹の数も少ないですからね。女性活用において大きな課題は、結婚、出産、介護、家事負担といったものと仕事をどう両立させて、職場で彼女たちの能力を発揮させていくかということですが、少子化を考えるとこの課題は、女性活用の域を越えていると思います。女性の仕事力を向上させていく点については、私の場合、経営者やマネジメントに提供している内容を、女性の多い職場や、家庭でのリアルな問題解決に使える様にかみ砕いて提供しています。たとえば「もし、おつとめ女子がドラッカーを読んだら」という研修は、人気のオリジナル・プログラムなんですよ。

頭の中で登場人物たちが勝手に動いていく



渋井真帆氏: 今は自分の中に小説で書きたいテーマがたくさんあります。執筆をしていると、自分の組み立てたストーリーだとこうだけど、登場人物たちはそうは動かないぞという時があります。物語の中でキャラクターが出来上がってくると、勝手に動き出すんです。そうなると抵抗しないで彼らの動きたい、言いたいままにした方がいいんだなって、覚えました。すると筆が乗ってきて、原稿を読み直したときに、自分で書いたのに「へ〜こうなんだ」と思うことがあります。私、こんなこと考えたこともなかったな。どうして書けたんだろうみたいな感じで(笑)。

――書いている本人も楽しめるのですね。


渋井真帆氏: ビジネス書を書くのとは全く違いますね。小説を書いているときは、登場人物と頭の中で会話していて、たまに議論になるんです。その日に書き終えた分の原稿を見直して、「よし、これでいい」と思って夜寝ると、夢にナポレオンが出てきて、「これは違う。こういう風には動かない」とか言うんですよ。私も私で、「ああ、確かにそういう要素がありますね」といったように夢の中で議論するんです(笑)。朝くたくたになって起きるのですが、夢の中で言われた要素が入っていたら、どういう結論になるかなと考えると、確かに夢の中のナポレオンの言うとおりになる。「そうか、昨日書いた原稿は違うのか」とつぶやきながら、書き直したことが何回もありました。



書く時の課題ですが、「実際そうだったのかな」と思われるくらいのリアリティーを虚構の物語に出現させたいと思っています。これから技術や経験を高めていって、形にできる様にしたいですね。

資料としての読書には、電子書籍がとても便利


――渋井さんは電子書籍はお使いになりますか?


渋井真帆氏: 仕事関係ですぐ読みたいものがある時は電子書籍を使います。すぐに読めるというのが一番有り難いですね。

――資料として使われますか?


渋井真帆氏: そうですね。私、小説に関しては、歴史物を書くせいか、学術論文本をよく読みます。日本や海外の大学の先生の論文ですが、読むとすごくインスピレーションがわく。一方、他人がその材料を加工したものを読んでしまうと、自分がその影響を受けてしまうためあまり読みません。論文を情報として組み立て、自分の中で物語を構築していくので、論文のほうが材料としては使いやすいのですよね。もちろん情報の断片じゃなくて、論文ですからそれを知的に集約してくれていて、インフォメーションよりはインテリジェンスになっている。そういう意味でもクオリティーの高い情報ですね。

――主にそういったことでご活用されるのですね。


渋井真帆氏: あとは、経営関係や経済関係など、もうひとつの仕事でどうしても読んでおきたい書籍があって、古い本の場合ネットでなければ買えなくて、でも送ってくるのを待つのが嫌だなという時は、やっぱり電子書籍が便利です。ただ、そういう読み方はしますが、本の代わりには読んでいません。機械が重いんです。
私、あおむけになって本を読むんです。電子書籍をiPadで読んだりもしますが、やっぱり本より重いんです。あの重さが解消出来たらいいなと。それと、ペンで書き込みながら読みたいです。あおむけになって片手で操作ができて、書き込みができる様になれば、電子書籍も良いなと思うんですが、そういう意味では技術の発展ののびしろがある分野ですよね。

書き込みし過ぎた時は、読書用にもう一冊本を買うことも


――本への書き込みはたくさんされるんですか?


渋井真帆氏: そうですね。書き込みすることが多いです。あまり書き込みし過ぎちゃって、らちがあかなくて、もう1回同じ本を買うこともあります。書き込む用じゃなくて読む用に(笑)

――どんな本をお読みになりますか?


渋井真帆氏: 歴史の本が多いですね。

――もし数冊しか持って行けないようでしたら、何をお持ちになりますか?


渋井真帆氏: そうだったらハーレクイン・ロマンスですね、いきなりですが(笑)。何も考えなくてすむじゃないですか。漫画も好きです。ハーレクインって奥が深くて、色んなジャンルがあるんですよ。ヒストリカル(歴史物)も充実しています。マニアックな話ですから、大抵の人は知らないですけどね(笑)。

ヒストリカル物のハーレクインは好きです。日本語版で古いものを探したり、漫画で気に入ったら古いのを探して、ほれ込んじゃったら英語の原版を買って、それらを照らし合わせて気持ちよく読んだり。去年、半年間留学したのですが、ハーレクインの英文を読んでいたのは役に立ちました。

――そうなんですか?


渋井真帆氏: ええ。男性とご飯を食べていた時に、こういう時は何て言えば一番良いのかなと思って、ハーレクインのせりふを英語で言ってみたら、「Oh もう何でも聞いてあげるよ、君」みたいな状況になって。「さすがハーレクイン」だと感心したものです(笑)

半年間の留学が与えてくれたもの


――カナダに行かれたと思うんですけれども、その後ご自身の中で変わった部分はございますか?


渋井真帆氏: 半年の間にバンクーバーの拠点に5ヶ月、それからニューヨークへも行きました。最後の1ヶ月間はヨーロッパを、ロンドン、ブリュッセル、パリ、フィレンツェ、ベニス、ローマを列車で回ったんですよ。半年の間に英語がそれなりに上達したのは収穫でした。一番良かったなと思ったのは、色々な民族の人たち、幅広い年代の方々とコミュニケーションするなかで、文化や考え方、価値観の違いや共通点を肌で感じられたことが、その後の執筆活動や講演の両方に役立っています。

――何が面白いと感じられましたか?


渋井真帆氏: 年代のせいかもしれませんが、大人の留学っていいなあと思いました。話す内容があるから。出会う海外の方みんなが、日本について興味・関心を驚くほどたくさん持っていたんです。文化だけでなく、政治経済や社会システムについてとか、そういうことを聞きたがるんですよ。

――答えられる日本人っていうのはなかなか少ないですね。


渋井真帆氏: そうですね。でも20年近く社会人をやっているのだから、少しくらいは話しの引出しを持っています。それを、たどたどしくても一生懸命しゃべりました。すると、興味があることは彼らは一生懸命聞くんです。「なんだ、英語は流ちょうでなくても、相手が聞きたくなる内容を提供すれば聞いてくれるんだ」と気がつきました。たどたどしい英語でも隣の人と話したりしていると、周りにまた人が集まってきたりするんです。

――全く新しいスタイルですね。


渋井真帆氏: コミュニケーションってそうなのかなと思います。ベニスからローマへ移動する電車の中で「何だろう、あのケーキ」と思いながら、通路の向かい側の人が食べているケーキをずっと見ていたんです。そうすると向こうがチラッてこちらを見るじゃないですか。こちらは普通に社会人の経験がありますから、ニコッと笑い返すわけですよ。それからまたケーキをじーっと見て、それを3回くらいやっていたら相手が「食べるか」って言ってくれたんです。で、「Oh, Thank you!」とか言って(笑)。私はちょっと自分の欲望に忠実過ぎるのかもしれないですね。でも、それで会話をするんです。「このケーキ、うちのお母さんが作ったんだ」「え、手作りなの?」とか、一口食べて「美味しい」とか、「一口しかダメなのかな。もっと食べたい」とか言ったり(笑)。おかげで、各地の美味しいものを沢山ご馳走になることができました。

良きパートナーとの出会い


――先ほどだんなさまのお話も出ましたが、どこで出会われたのですか?


渋井真帆氏: 銀行で彼が私の教育係だったんです。お互いに性格とか好みとかは違いますね。

――似た者同士ということではないんですね。


渋井真帆氏: 印象に残っていることですが、彼と付き合っている時に、向こうが結婚適齢期だったので結婚をにおわせた時があって。それで、「映画を見てもことごとく好みが違うし、泣ける場所も違うじゃない」っていう話をしたら「それは単なる好みの問題でしょ」って言われて。「でも1つ屋根の下に住む様になったら好みが一緒なほうが良いんじゃない」と私が言ったら、「好みはバラバラでも価値観が一緒のほうがよっぽど世界が広がるんじゃない」って言われたんですよ。それで「価値観って何?」って言ったら、「何を大切に思うかだ」と言われて。彼が「もちろん自分は家族っていうのは大切だけど、やっぱり一番生きていく中で大事なのが、どこまで自分を発揮出来るかだと思う」って言うんですね。「その結果がお金だったりポジションだったりするけど、悪いけどその結果に対してはあんまり期待しないで。それは運もあるから」と言って(笑)。「やっぱりどこまで自分を発揮させるかっていうのを何十年掛けてやっていくっていうことが大事だと思うし、君はそういうタイプだよね」って。「自分を発揮したほうが幸せと感じるタイプだから僕と一緒のほうがいいんじゃん」とか言われて(笑)



――いいですね。


渋井真帆氏: 確かにそのお金とかポジションを目指すのも1つの生き方だと思うけれど、一番はその人が今いる場所で自分を発揮出来るというか、どこまで自分のなりたい方向に行けるかというワクワク感で生きていくと、やっぱり結果もついてくるのかなと。それで「彼でいいのかな」って思ったんです。

これからも男たちの熱い物語を書いていきたい


――挑戦を続けられる渋井さんの、今後の展望をお伺い出来ますか?


渋井真帆氏: 今後も歴史経済小説を書きたいです。いくつか自分の中でプランがあって、次に挑戦しようと思っているのは日本の歴史です。源平時代の北条氏を書こうかなと。1人の男性の生きざまを通して物語を描いていくというか、ストーリーは自分の中でほぼできちゃったんですよ。「こういう風にするから」って食卓で夫にしゃべりました(笑)

――食卓から物語が生まれているんですか?


渋井真帆氏: 今回の『ザ・ロスチャイルド』は、TVで観たアラブの春の報道にもの凄くインスパイアされた部分がありました。海外に滞在して、次に書くのは日本の文化、日本の歴史を書きたいな、そうするぞって、ロッキー山脈の氷河を歩きながら誓いました。
北条氏は、徳川政権の安定期には、主君の権力を奪った逆臣と悪しざまに言われたんです。明治時代になっても、承久の乱で天皇に刃を向けたと逆賊扱いされる。だけど徳川家康は幕府を作る時に、その北条氏の政権運営をものすごく勉強しているんです。家康には先例があったけれど、日本初の武家政権の基盤をつくった北条氏にはなかった。システムや組織を作るということに、私は大きな関心、興味があるんです。
システムを作ってきた人間たちは、どんどん権力を握っていくけれども、彼らはおそらく人間としては苦悩が深まる一方だったのでしょう。これってまさに現代でも起きていることで、私たちのリアルな日常に通じる。そういうことも描きたいと思っています。権力を握り、組織を作っていって、皆のためによかれと思って良い組織を作っていく程、悲哀や苦悩が深まっていく男の人生。ありがちですが、そんな男たちの熱く切ない人生を描いていきたいと思います。

(聞き手:沖中幸太郎)

著書一覧『 渋井真帆

この著者のタグ: 『女性作家』 『コミュニケーション』 『価値観』 『歴史』 『留学』 『ダンゴムシ』 『女性活用』

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