西條剛央

Profile

1974年、宮城県生まれ。早稲田大学大学院(MBA)専任講師(専門は、心理学と哲学)。日本の心理学者、哲学者である。2011年3月に発生した東北地方太平洋沖地震では親戚を失う。「構造構成主義」の理論を用い、ボランティア未経験ながら日本最大級のボランティア・プロジェクト「ふんばろう東日本支援プロジェクト」を立ち上げる。「物資支援プロジェクト」では、2012年1月時点で3000か所以上の避難所、仮設住宅等に、15万5000 品目に及ぶ物資を支援。ほか、自立支援を目的とした「重機免許取得プロジェクト」「手の職・布ぞうりプロジェクト」など数十の支援プロジェクトを始動し、継続中。著書に『構造構成主義とは何か』や『人を助けるすんごい仕組み』など多数。

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電子書籍で被災地支援にも可能性が


――最後に電子書籍についてもお伺いしたいのですが、西條さんは電子書籍をお読みになることはありますか?


西條剛央氏: 使ったことはないですね。ただ、僕が以前出した『被災地からの手紙 被災地への手紙 忘れない』(大和書房)を今度電子書籍で出すんですよ。大和書房さんが版権を全部譲ってくれるので出そうっていうことで。売り上げは全額支援金になります。あと英訳版とスペイン語版も作ってるんですよね。電子書籍だったら自分たちで広めちゃえばいいんで。完全にチャリティー本で、どうやって出版すればいいのかなってよく分からないまま手探りで進めようとしてるので、ぜひご協力いただけるとありがたいです。

――電子書籍を本が不足している被災地に提供して、誰でも読めるようにするのもいいかもしれませんね。


西條剛央氏: それは面白い考えですね。仮設の集会所みたいなとこにパソコンをつけるPCプロジェクトがあるのですが、一緒に電子書籍を入れて、パソコンで読める様にするというのはありかもしれません。特に子どもたちはパソコンへの順応性は高いので、ゲームだけやってるよりニーズはありますよね。被災地では本を読むときは移動図書館とかなんですよ。手軽だけど、移動してしまっていなくなったら読めませんからね。いつでも読めるっていうのは良さはありますよね。あと電子書籍の良いところは場所を取らないこと。仮設は狭いので、本を置く場所がないんですよ。集会所も限られている。場所を取らないからこそできる支援っていう意味ですごくいいですね。

――紙の本が消えるなどという声もありますが、電子書籍の可能性についてはどうお考えですか?


西條剛央氏: 僕が図書館に行かないのは本に書き込めないのが嫌だからなんですね。読み込む本には相当書き込んだり、折り目をつけたりして、本と対話しながら読み込んでいく。そういうことができないので、重要な本はなかなか電子書籍で読むのは難しいところもありますよね。電子データが立体的に出てきて、手触りもあってといった、スターウォーズの世界みたいになれば、リアルな本が必要無くなるかもしれませんが、メールがあっても手紙が無くならない様に、電子書籍というツールができて、選択肢が増えても、本自体は無くならないでしょうね。

(聞き手:沖中幸太郎)

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この著者のタグ: 『英語』 『考え方』 『可能性』 『紙』 『MBA』 『ボランティア』 『プロジェクト』 『読み方』

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