大切なのは「今」を生きること
――今、伝えたいメッセージを伺います。
倉園佳三氏: まさしく「今」を生きることだと思います。それしかない。当然時間の制限とか、自分時間で生きられない世の中で生きてるので、すべてを今に生きるっていうのは不可能です。ところが、実は、今目の前にあることを何でもいいのでやるときに、今にある状態っていうのができるんですよね。何かをするときに関しては、1回腹をくくって、「俺はここで今にある状態でやるぞ」という様にすれば、色々なことが変わってくる。そうやって創られたものって多分、質が最高品質だと思うんです。常に「今にある」働き方をしていくと、エネルギーももらえるような気がしているんです。今にあることで、何か見えないエネルギーみたいなものが取り込めるというか。だから自分を信じてそれを使いましょうよ、というのがメッセージですね。
今にあるには、時計を見ないことも重要です。3人もいれば時間は誰かが教えてくれるんですよ、別に意味ないけど、みんな時計を見る。それはやっぱり先のことを考えてるんですよね。それは止めた方がいい。時間って別に絶対的にあるものじゃなくて、僕らの頭が作り出したもんなんだとわかった瞬間に、「じゃあその作り方を変えるっていう方法があるよね」ってことに気付ける。
新しい「Bennets」はロンドン公演が目標
――今後はどんなことをやってみたいと思いますか?
倉園佳三氏: まずは今を手段にしない新しい働き方の本を何冊か書いてみたいなと思っています。概念系のものと、それからもうちょっとハウツーに寄ったもの。それから、そういう働き方のほうがうまくいくという自信の元に、広めていく活動を地道にやっていきたいと思います。僕はやはり、リアルが好きなんです。デジタルや本で伝えるよりも、直接話をするかたちが1番好きなので、講演ツアーをしたい。
それから、昔やっていたバンドが昨年再結成したんです。皆20年振りに再会したんですけど、僕以外は幸いなことに音楽を続けてくれています。The Bennetsっていう4人組のバンドなんですけど、今3人まで集まっています。リハーサルを2回やったんですが、当時よりかっこよかったんですよ。今度は音楽を目的にして、最高のものを創ってみて、どうなるか見てみたい。もし若い人に「音楽をやっているんですけど、どうしたらいいですか」って聞かれたときに、僕は「何も考えずに、音楽を目的にして作ってみたら」っていうアドバイスをすると思います。そうしたらどうなるかを、自分で実験したい。今年中にはロンドン公演くらいまでは行ってみたいと思いますね(笑)
(聞き手:沖中幸太郎)
著書一覧『 倉園佳三 』