武田邦彦氏: それは、ルイセンコ学派のことですね。昔、スターリンの時代に、ルイセンコという人がいたんですよ。その人がそういう事を主張して、その当時のロシアの農業政策はそれに基づいていたんですね。「共産主義のもとに植物を育てれば、常に病気もなく、ちゃんと育つ」と。
つまり政府の言ったこと通りのことを、科学者が言うという事態が発生したんです。今の日本の温暖化みたいなものですよ。御用学者。温暖化すると放送している御用マスコミ、みんな同じ、ルイセンコ学派ですね。
――よく言われる温暖化というのは、どういったものでしょうか。
武田邦彦氏: 今、太陽が一番盛んな時期ですから。これからだんだん低下してきますけど。僕の子供のころよりは暑くなった。それは太陽に文句言ってくれ、ということですね。少なくとも、今暑いのは太陽だ、ということなんですね。
――もう1つの取り組みとして燃えないプラスチックをつくる、世の中から火災をなくすということですが、火災というのは人為的ミスから起こるものではないですか。
武田邦彦氏: いえいえ、そうじゃないですよ。火災というのは燃えるものがあるからですよ。こういった繊維とか本とかみんな燃えなくなれば火災はなくなりますよね。そういう研究ですね。身の回りにあるものが全部燃えなきゃ、火も点きもしないということですね。
――原発、震災に関連して、今震災を受けた子どもたちにどういったものが一番必要だと思いますか。
武田邦彦氏: 今一番求められているのは、子どもたちに被爆させないこと。今メディアも政府も共同作戦で子どもたちに多く被爆させようと思って一生懸命だけど、やっぱり被爆させない方に一生懸命やらなきゃいけないんじゃないかというのが一番大きいんじゃないでしょうかね。
なぜって言われると困るけど、あなたも含めて、例えば原発の電気はもらいますよね。だけど原発から出てくる廃棄物は受け取らない。じゃ、その廃棄物どうするんですか? 子どもに任せる。こういう風にみんながそう言っているわけですから。大人が全部そう言ってやっているんですよ。
「年金はどうするの?」「国債はどうするの?」。これも、全部子どもたちに任せるよと。「被爆は?」。これも、全部子どもたちに被爆させるわけです。
統一性はあるんですよ。大人は少しでも得をすると。全て子どもに任せると。だから被爆の子どもたちが増えてしまう。こういう風になりますね。
だってあなた自身、今までの10年間ずっとそういう判断してきたわけですよ。子供を大切にするって言うのは建前で、全然建前通りにはなっていないわけですよ。
――武田さんは、『本というのはあくまでただのパッケージであって古い考えだよ』と仰っていましたが、本を電子化するにあたり、本を裁断することが嫌だなと思われたりしますか。
武田邦彦氏: いや、全然思いません(笑)。
――電子書籍は今後、本としてのパッケージはどういう形状になってくると思いますか。
武田邦彦氏: 人間というのは、朝はパンを食べていたとか、昼間はごはんを食べていたとか、そういう慣性力がある。本というのは無くなると思いますけど、ただ無くなるのに時間がかかる。一般的な普及という点じゃ500年くらい使ってきたわけですよ。500年もやってきたから、すぐには止まらないというだけですよ。
人間の多くはですね、単に朝起きたら、歯を磨いて顔洗って、電車に乗って仕事して、酒飲んで寝ているだけで、別にその間に考えているわけじゃないんですよ。言ってみれば人間じゃないんですよ、人間の形をしているだけで。過激な言葉であえて言うと、僕は『脳死した人』って言ってるんですけど、みんな脳死しているんですよ。
脳死している理由はいっぱいありますね。別に脳死していても収入があり、お金があり、生活ができるから。そんなことじゃないでしょうかね。特に日本人の場合は脳死している人が多いわけですね。
――武田さんはなぜそうならなかったのですか。