本が読まなくなった理由のひとつは、「溜まってゴミになっていくから」
――それでは電子書籍についてお話を伺っていこうと思います。現在iPadなどの電子端末などで電子書籍を読まれていますか?
戸根勤氏: 電子書籍という意味でいうと、読んでいないですよね。ただ、電子だとか紙に関わらず、いわゆる「本」という形のパッケージングされた物を読むことは、昔に比べると量がずいぶん減ったような気がしますね。10年ぐらい前から新聞ももう読んでいないし。文字としては、ネットのドキュメントやらは相当読んでいますけれども。あと、ネットニュースやブログも、色々見てます。
――それは紙だと更新性が遅くなるからということも関係してますか。
戸根勤氏: それもあります。でも、紙ってどんどん溜まってゴミになっていくじゃないですか。片づけなくちゃいけないし、何かと面倒くさいですよね(笑)。本もそうですよね。だから、ブックスキャンのお客さんは、僕みたいな方が多いんじゃないですかね?
――そうですね。本が多いと場所を大きく占めてしまうので、「スペースを有効活用したい」というお客様も多いです。
戸根勤氏: やっぱり…!
日ごろ読む本は、奥さんからのリコメンドがあったものばかり
――ちなみに、紙の本を読まれるとしたら、普段はどんな本を読まれますか。
戸根勤氏: 紙で本を読むのは仕事に関係がない本ですね。小説とか。そういうものを出掛けた時の電車の中で読むことが多いですね。仕事関係の資料などは紙で読むことはあまりないです。
――小説はどういったジャンルものを読まれますか。
戸根勤氏: 推理小説みたいなものが多いですかね。そんなに読みませんけど(笑)。読んでも月に1、2冊じゃないでしょうか。
――本屋に立ち寄って買われたりもするんでしょうか。
戸根勤氏: うーん。そういうのもときにはありますけれど、一番多いのは、カミさんが買ってきたもので面白かったものを回してもらうことですね。
――奥様が読書家でいらっしゃるんですね。ちなみに、最近読まれた本というのは、何かありますか。
戸根勤氏: 何だろうな。先週読んだ本は『令嬢テレジアと華麗なる愛人たち』という本でしたね。ウチのカミさんから「面白いから」ってすすめられました(笑)。マリア・テレジアってご存知ですかね? フランス革命のマリー・アントワネットの母親で、オーストリア系ハプスブルク家の女帝と呼ばれた人です。
この本は、彼女のことを小説仕立てで書いた本で、いわゆるフランス版の時代の歴史書です。ちょっと面白そうだなと思って借りて読んだんですけど、読み始めたら、いきなり歴史小説じゃなくて官能小説みたいでしたよ(笑)。まあ、お盛んだったらしいですからね、あの方は。電車の中で読んでいて、「これは、まずい」って思いました(笑)。結構面白かったですけどね。先週読んだ本で、一番最近に読んだ本ということでたまたまお話しただけです(笑)。
――幼少期から学生時代までは、どんな本を読まれていましたか。
戸根勤氏: 子供の頃は、あまり本を読む習慣というのがなかったんですよ、僕ね。小学校の頃は野球少年でしたし。中学校や高校生ぐらいになると音楽少年になりましてね。今もやっていますけど、アメリカの民謡みたいな。ブルーグラス・ミュージックをやっていましてね。だから学生、大学生の頃とかは、そんなに本を読まなかったけど。でも、SFとかは好きで読んでいましたよね。
――あまりそれまで本を読まれてこなかったけれども、いまは本を書くお仕事をなさっているわけですよね。「本とはこういうものだ」みたいな定義のようなものはお持ちですか?
戸根勤氏: まず、世の中には、「情報」という大きなくくりがあると思っています。そして、その中に本もそのなかのカテゴライズのなかのひとつなんですよ。
多分、本の好きな方というのは、本のパッケージングが好きんだと思うんですよね。僕は本のパッケージングという意味合いは、あまり感じないというか重要だと思っていないんです。だから、本でも週刊誌でもブログでも、情報が手に入れられれば、何でもいいわけなんですよ。それこそ、twitterでもいいしね。もしくは、こうやって人と話をお話をすることも、僕にとっては、同じ「情報を得る」という行為であって、読書と同じ位置づけなんですよ。