『電子書籍』との共存のために『紙』の書籍には、『品質』を高める必性要が求めれている
ラジオのパーソナリティや講演や執筆活動で多忙な中、一か月に『本』を20~30冊読破しているという堤さんに、電子書籍や今後の日本の書籍について存分に語って頂きました。
瞬間的に思い立って読みたくなった時に、『電子書籍』を活用している
――電子書籍は読んだことはありますか?
堤未果氏: 電子コミックを携帯電話でたまに読みますね。何か急に思い立って読みたくなった時とか、あの漫画のあの場面が見たいないう時に衝動買いしてます。新刊を買って読むというよりは、以前読んだものの読み返しのために購入してますね。
――どのようなジャンルの漫画を読みますか?
堤未果氏: ジャンルは、色々ですけど、一番最近ではスピリッツに連載していた『闇金ウシジマくん』を夜中に読みました(笑)。特定の場面を急に思い出してしまうと続きが気になるんですよね、特に「どんな台詞を言っていたっけ?」って、気になってしまうんですよね。私は読むとだいたい台詞を覚えちゃうんです。
――えっ?覚えちゃうんですか?
堤未果氏: はい(笑)。で、何かあの場面のあの台詞をもう一回見たいなっていう瞬間が急にあって、そういう時に携帯で読んでますね。
――携帯での読み心地はいかがですか?
堤未果氏: アクセスが簡単なところが良いですね。ベッドから起きて本棚まで行って、その巻を探して戻ってきて読むという手間がいらないのがうれしいですね。
――携帯で読む時に、要望などはありますか?
堤未果氏: 携帯はちょっと画面が小さいのと、めくる時に「ぶーん」って振動があるじゃないですか?アレが嫌なんですよね。手だとパラパラパラってめくって見れるじゃないですか?すごいわがままなんですけど、私はものすごく読むのが速いので、画面をめくる時間のロスを無くしてほしいですね(笑)。もうちょっと、iPadみたいにスマートに変わったら良いのにな、といつも思います。あと、特定のページで止まるのも改善して欲しいですね。やっぱり本は自分のペースで読みたいですからね。
――本のジャンルでいうと、やはり漫画を読まれるのが好きですか?
堤未果氏: 漫画というより本そのものがすごく好きです。
――推薦したい本などの記事を書かれていますよね。本への愛情は深いですか?
堤未果氏: 深いです。もう生活の中に本が無いと、ダメですね。
――月に何冊くらい読まれますか?
堤未果氏: 月に20~30冊ぐらいですかね。特に家に一人でいる時は、部屋から部屋に移動する時にも読んでいるぐらい好きですね。ジャンルはその時々で、ノンフィクションとか社会的な物も読みますが、ミヒャエル・エンデのような大人の児童書や詩集、エッセイなどですね。頭をからっぽにしたいときは写真集ですね。
――大人の童話というのは、どのようなものですか?
堤未果氏: ミヒャエル・エンデやナルニア国物語などは、映画にもなりましたよね。子供の頃、外国の児童書ばかり読んでいたので、すごく好きなんです。特にイギリスには本当に素晴らしい童話が多いんですが、翻訳者によって全然違うんですよ。その好きな翻訳者のバージョンを何十回も繰り返し読みますね。
――最近は、どんな本を読まれましたか?
堤未果氏: アラスカ在住の星野道夫さんという写真家のエッセイを読みました。星野さんは熊に襲われて亡くなってしまったんですが、写真だけでなく文章が哲学的で素晴らしいんです。写真と文章のページや、文章だけのページなど色々なパターンがありますが、読んでいると被写体の話だけではなく、もっと本質的な人間と自然の関係や、人間が生かされている事への敬虔な気持ちなど、命そのものへの問いかけがずっと流れていて本当に美しいんです。
――幼少期から学生の間までの中で、自分の行動に今でも影響を与え続けている本はありますか?
堤未果氏: 小さい頃から10代までですか?ミヒャエル・エンデの『はてしない物語』や『ハイジ』の翻訳版ですね。『ハイジ』ってアニメでは無くて、福音館から出ている分厚い本の方に影響されましたね。『ハイジ』は中学生の時に読みました。
――『ハイジ』は大人向けなんですか?
堤未果氏: あれは完全に大人向けですね。母が家に沢山海外の児童書を持っていて、その中に『ハイジ』があったんです。
著書一覧『 堤未果 』