高城幸司

Profile

1964年10月21日、東京都生まれ。1986年同志社大学文学部卒業後、株式会社リクルートに入社。6期トップセールスに輝き、社内で創業以来歴史に残る「伝説のトップセールスマン」と呼ばれる。また、当時の活躍を書いたビジネス書は10万部を超えるベストセラーとなった。1996年『アントレ』を創刊。事業部長と編集長を9年間歴任以後、人材ビジネスで転職事業の事業部長も経験。その後、株式会社セレブレインの社長に就任した。その他、講演活動やラジオパーソナリティーとして多くのタレント・経営者との接点を広げている。きき酒師・酒匠であり焼酎アドバイザー。日本酒サービス研究会常任理事。日本酒の会を12年代表を務める。

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「会いたい」ダニエル・ピンク氏から驚きの電話が


――『黄金のフレーズ』(AXEL MARK)が電子書籍で1位になりましたが、そのときは電子書籍の特質などを考慮して本作りの戦略を立てたのでしょうか?


高城幸司氏: 書き下ろしを出してみようということで出しました。例えば、その時ちょうど「もしドラ」も電子書籍で出ていたんだけど、もしドラは紙の本と同じだったでしょ。だから焼き直しを出すんだったらゼロから作ってみようと思ったので、書き下ろしを作ってみました。それから、350円くらいだと思うので、100ページ位で読めて、心地いいものがいいので、1ワードで学べるみたいな、シンプルな作りがいいんじゃないかなと。あとは、ストレスがなく読める方がいいので、ビューワーは1番いいのが使いたかった。ダイヤモンド社のビューワーを使ったんですけど、使い心地のいいもので違和感なくやろうというのがありましたね。

――売れているという実感はありましたか?


高城幸司氏: 当時で3万ダウンロードでした。初日で1万5千ダウンロードだったんですよ。しかも版元になったAXEL MARKも、初めての1冊だったから、それがどういうことかわからなかった。「ああ、電子書籍の売り上げってこんなものなんだ」と思ったらしいですが、その後他の本を出しても売れないので、びっくりしたと言われました。ただ、1つ思うのは、意識としては、本を書いているというよりも、アプリを作っているというイメージですね。機能とかにこだわっていたし。単に本をPDF化して出すんじゃなくて、難しいトラップがあるわけじゃないけど、Wikipedia連動とか、アプリを作っているという気持ちでやっていました。

――電子書籍がヒットしたことで新しい読者が増えたり、読まれ方が変化したりしていると感じたことはありましたか?


高城幸司氏: 電子書籍を作って1番びっくりしたのは、先ほど出てきたダニエル・ピンク氏という、「フリーエージェントの時代」とか、「モチベーション3.0」を書いた彼が、僕の電子書籍の英語版を読んだらしくて、電話が掛かってきたんですよ。

――直接本人からですか?


高城幸司氏: 直に電話があって。「僕はダニエル・ピンクだ。あなたの本を電子書籍で読んだんだけど、すごく興味を持ったので1回会いたい」と。僕も細かいニュアンスが分からないので、メールアドレスを教えるからメールで送ってくれという風に言って、実際メールが来たんです。それで、「ほんとに来るのか」と言ったら「YES」。「じゃOK」と言って。彼は、日本の営業という仕組みに興味があると。なぜかと聞くと、アメリカには、問屋という機能がないので、営業活動はメーカーがやる。さもなければ、REPというエージェントがやるので、営業の仕組みが違う。問屋があったりとか、営業の役割をする社員がいたりとか、不思議だと。日本との商習慣の典型が営業を学ぶことによって分かると思うので、君に日本の営業について教えてほしいということで、3時間半位インタビューされたのかな。全部はさすがに英語でできないので、半分英語、半分通訳みたいな感じだったけど。

――それはピンク氏が著作に書くための取材だったのでしょうか?


高城幸司氏: それはどうなったか分からないけど、3時間くらいインタビューした後、雑談して面白がって帰っていった。僕も逆にどういう理由で彼が『フリーエージェントの時代』を書いたかと聞きたかったんだけど、時間がなくて。もう1回また会いたいですね。

幅広い活動範囲。コンサルティング、執筆、そして日本酒


――話ががらりと変わって恐縮ですが、高城さんが執筆された本といえば、造詣が深い日本酒の本もありますね。日本酒とのかかわりもお聞かせください。




高城幸司氏: 日本酒の会をやっていて、年に4回お酒の会をやっています。秋はひやおろし、春は新酒とか。あと、東京のお酒と落語の会と、年に1回はバスに乗って蔵元に行くというツアーをやっています。あとは、利き酒師の協会の評議員をやっているんですけれど、来月の20日に、日本酒の利き酒師の日本一を決めるコンクールがあって、審査員として審査させていただくことになりました。これからも利き酒師をもっと世の中に広げる活動をやっていこうかなと思っています。

――日本酒はいつからお好きだったのですか?


高城幸司氏: うちはもともと酒屋なのですが、おやじが廃業したこともあって、お酒って大変だなとか、飲んでもおいしくないなと思っていた。だから飲めるけれど、できれば飲みたくないと思って、社会人4、5年目までは1滴も飲めないとうそまでついていましたね。でも、ある日本酒の協会の方にお会いする機会があって、日本酒の勉強をする必要に迫られ、縁あって利き酒師の資格を取ることになった。で、1人で取るのが嫌だったので人を誘って、100人くらい集めて取ったんです。

――たくさん種類がありますが、どのようなものを飲まれていますか?


高城幸司氏: 純米酒の燗酒がいいですね。今、酒蔵に大学を卒業した若い男の子が戻ってきて経営しているみたいな面白いところが増えてきていて、そういう若くて元気な酒蔵さんの日本酒を飲むと、やっぱり元気になる。そういう蔵元のお酒は極力選んで飲むようにしています。今注目しているのは、広島。広島県というのは、もともと醸造試験場があったところで、日本酒の鑑評会はそこでやっているんです。戦争のときに、大体、呉に軍艦が置いてあったので、あの辺りというのは戦争のときの大本営になる可能性が強くて、日本の基幹になる人材が集まったところなので、それに見合っておいしいお酒というのはたくさんあると言われているんですね。昔でいうと賀茂鶴さんとか、竹鶴とか、結構熟したお酒もあるんだけど、最近は宝剣という。あとは賀茂金秀みたいに若い蔵元が作っている、すごく華やいだワインみたいなお酒とか。米や果実もきっちり開いている様なお酒があります。飲みやすいんです。安いですよ、1本1000円とか2000円で買えます。

――これから日本酒を飲んでみようという人にお勧めの飲み方はありますか?


高城幸司氏: 1つが、飲んだ量と同じお水を飲むと、翌日酔いが残らない。ワインは飲んだ後の酸の香りとか余韻を楽しみますが、どっちかというと日本酒は、アタックというんだけど、入り口の部分の香りとか、舌に乗っかったときの広がりが大切なんです。だからワインは水を飲むと味が飛んじゃうんだけれど、日本酒は大丈夫。もう1つは、寒いときに温かいお酒を飲むんじゃなくて、寒いときは逆に冷酒、それから夏場は燗酒。その方が体は代謝が良くなって、飲んだ後はすっきりするんですよ。そういえば、今度、秋か来年の春にお酒にまつわる本を1冊書くかもしれません。今一応、版元さんと話をしているので、企画が出ると思うんですが。

――そのほかの出版予定があればお聞かせください。


高城幸司氏: 半年で、日経新聞、東洋経済、日本能率協会、それから、講談社、集英社、日本文芸社と本がドドドっと6冊出ます。

(聞き手:沖中幸太郎)

著書一覧『 高城幸司

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