プライベートで読む本は、興味のおもむくまま。生物系の本も好きです
――松本さんは、今までどのような本を読まれてこられたのですか?
松本茂氏: バラバラですえね。全く統一感がない。僕は理系だったので、昔は講談社のブルーバックスシリーズとか、ああいうのが好きで読んでいましたね。あとは全然関係ないんですけど、ギリシャ神話がけっこう好きで読んでいました。経済学をやりはじめたのは大学院に入ってからですから、それから社会科学系の本を読むようになりました。僕の読書は5年スパンぐらいで波があるみたいで、最近はあんまり読んでないんですけれど、もちろん仕事の専門書は読みます。プライベートでは、最近は生物の話とか小説を読むようになりました。自分が読みたいものを読んでいる気がします。ずっとひとつの分野を読んでいるという感じではないですね。むしろ社会科学の本を読むより、ほかの分野の本を読んだりすることのほうが多いかもしれません。
――生物はご研究分野と関係があるのですか?
松本茂氏: 生物はね、関係してくるんですよね。環境経済学では、例えばどういう風に生物が進化してくるかとか、生物の多様性と環境の話が出てくるので、そういう本もちょっと読んでみたら面白いなと思って読んでいることが最近は多いですかね。ひとつひとつをとっていくと分野が違っても、どこかでつながっているのかもしれないですね。自分では意識して行動しているわけではなくて、本屋さんに行ってみてちょっとパラパラと見てみて面白そうだと、買ってみますね。
――昔に比べて本屋は変わっていますか?
松本茂氏: 僕も本屋さんだけで本を買うわけではないからなあ。専門書は、必要に応じて買っていますね。Amazonとかを見る時は、有名どころの先生で書くのがうまい先生が書いたものをチェックします。使えそうだと、テキストとして買います。専門書に関しては書評を読みますね。それ以外の趣味で読んでいる本は、本屋さんに行ってばらばらっと見て、面白そうなやつを選んでいるという感じで、そのあたりはみなさんと全く変わりはないと思います。電車の待ち時間とかにフラッと立ち寄って買う。
――最近読んだ本で面白かったものはありますか?
松本茂氏: 『銀むつクライシス』(早川書房)が面白かったですよ。高級魚の乱獲の話で、翻訳本なんです。メジャーなところじゃないと思うんですけども。魚が乱獲されて枯渇していくんですけども、書いている人がルポライターみたいな人で非常に面白くて、小説風に書いているんですが、魚という資源の枯渇化の話で、すごく書くのがうまいんですね。学生さんにも薦めて貸してあげたら喜んで読んでいましたね。あとは小説なんかでも面白いと思っているのも読みますから、分野ごとにいろいろありますね。あまり期待しないで買って、面白いとすごく得した気分になるじゃないですか(笑)。
著書一覧『 松本茂 』