郷原信郎

Profile

1955年生まれ。弁護士(郷原総合コンプライアンス法律事務所代表)。関西大学社会安全学部特任教授。東京大学理学部卒業後、民間会社を経て、1983年検事任官。東京地検、長崎地検次席検事、法務総合研究所総括研究官等を経て、2006年退官。「法令遵守」からの脱却、「社会的要請への適応」としてのコンプライアンスの視点から、様々な分野の問題に斬り込む。九州電力「やらせメール」問題など企業不祥事の第三者委員会委員長も多数。西松建設事件、陸山会事件などに関して検察捜査を厳しく批判、「検察の在り方検討会議」にも加わり、検察問題の本質を指摘してきた。

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Amazon・Kindleの活用


――そういう形で世の中が少しずつ電子の方向に動いてきていると思うのですけれども、郷原さんの考える電子書籍の可能性はどのようなものでしょうか?


郷原信郎氏: 私の場合は、特にネットの世界にファンが多いんですよ。例えば『検察が危ない』も、Amazonで売れた数が相当多い。今回の『検察崩壊~失われた正義』も、Amazonで発売直後から品切れが続きました。Amazonであれだけ売れると言うのは全く予想していなかったのだと思います。私自身のツイッターのフォロワーが6万人余りいるし、しかもかなりクオリティーの高い、レベルの高いフォロワーなので、本を読んでくださる方も多いのだと思います。私の場合は、電子出版によって、私の考え方を広く拡散していけるんじゃないかと思っているんです。ネットでのコミュニケーションを活用して本の紹介ができるというのは非常に有効だと思います。

――品切れになるのは、恐らく毎回出すたびに新しいファンが増えているという表れでもあるんじゃないかなと思うんですけれども。


郷原信郎氏: やっぱりそこは孫崎亨さんの『戦後史の正体』なんかもマイナーな出版社なのにうまくやって、最初からものすごい冊数をAmazonに入れておいてAmazonを中心にしてどんどん売っていってことでAmazonのランキング上位になり、それで書店も注目して、書店もどんどんいいところに置く、そのいい連鎖が続いたと思うんです。『検察崩壊~失われた正義』について、孫崎さんが残念がってくれていました。『戦後史の正体』と同じようになるところだったのに、最初にちゃんとAmazonに入れておかなかったから、品切れになってみすみす販売の機会を失ったと(笑)。

――いままでと違った戦略でやっていかないといけないということですよね。


郷原信郎氏: そういう意味で、電子出版は在庫切れがないというのが大きな強みです。Kindle版というのは、いままでの電子出版とは違うかなり大きな可能性を秘めているのではないでしょうか。

――電子書籍も含め、本を通してどんなことを今後されていきたいですか?


郷原信郎氏: コンプライアンスのほうは、「社会の安全と組織のコンプライアンス」というテーマでこの次の本を書きたいと思っているんです。それはこれから研究を軌道に乗せていこうと思っているのでもうちょっと時間がかかりますね。もう一つ、一昨年秋、私は「由良秀之」というペンネームで『司法記者』という検察推理小説を講談社から出しました。ドラマ化の話もあります。その2作目を今年は何とか書き上げたいと思っています。

(聞き手:沖中幸太郎)

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この著者のタグ: 『可能性』 『弁護士』 『法律』 『コンプライアンス』 『安全』

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