折原みと

Profile

茨城県出身、湘南在住。1985年に少女漫画雑誌『ASUKA』(角川書店)にて『ベストガールになりたいの』で漫画家デビュー。『るり色プリンセス』(実業之日本社)を初めとする数多くの作品が刊行されている。小説家としての代表作『時の輝き』(講談社)、『真夜中を駆け抜ける』(講談社)や『ときめき時代』シリーズ(ポプラ社)などがテレビドラマ化された。漫画・小説以外にも、エッセイ、詩集、お料理本、絵本、CDなど、幅広く活動している。浴衣のデザインや公立高校での講師、ドッグカフェの経営なども行なっている。

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震災後は、癒やされる作品を書きたくなった


――折原さんが生き生きと、しかも長く第一線で仕事を続けられるのはなぜでしょうか?


折原みと氏: やっぱり好きなことをやっているというのが一番ですね。それと、私もこっちに引っ越して来てから生活が健康的に変わりました。健康な身体と精神でないと、健康的な作品は書けないんじゃないかと思います。漫画家って家から出ないので不健康になる。漫画家さんのTwitterを見ると、「腰が痛い」とか、「もう何日寝ていない」とか、書かれている方も多いですが、健康が大切だなと思うようになりましたね。



私はデビューしたころは、そんなに取材しないで書いていたんです。恋愛とかファンタジーが主だったので、取材して書くような内容でもなかった。でもだんだん取材して書くようになったら、やっぱり知らないで書いちゃいけないなという思いが出てきました。人と会っていろいろ聞いたりすると新しい発見もあって、自分の栄養というか、知識になります。だから、漫画だけ描いていたら漫画家にはなれないと思います。頭の中だけで物を作っていくのは、よっぽど天才だったらできるかもしれないですけど難しいし、インプットするものがなく、アウトプットばっかりだと限界が来ちゃうので長く続けられない。デビューすることよりも、何十年と続けて行く方が、すごく難しいと思います。

――最後に、今後の展望をお伺いできますか?


折原みと氏: 今、書きたいものはいっぱいあるんですけど、何作かたまっているものがあります。小説の方は、乙女シリーズっていうのを今年出す予定で、『乙女の花束』、『乙女の初恋』に続く3冊目で、「乙女の翼」という作品の刊行を、秋ぐらいを目指しています。
一番新しい漫画は、『ザ・デザート』に震災の話を書いていますが、震災後は明るいもの、癒やされるようなものが特に描きたくなりました。その前から医療物とか、命の問題を書いていた時期がありましたが、特に震災後は、重いものは描きたくなくなりました。私にはそういうムラがあって、社会的な物が書きたくなる時とか、明るいものを書きたい時とかがいろいろあるんですけど、今はやっぱり読んだ人がホッとするものが書きたいなと思っています。

(聞き手:沖中幸太郎)

著書一覧『 折原みと

この著者のタグ: 『女性作家』 『こだわり』 『アナログ』 『漫画家』 『小説』 『手書き』 『情熱』

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