塾講師をすることで、文章も教えるスキルも鍛えられた
――もともとは理系で、神戸大学出身でいらっしゃるのですね。子どものころはどんなお子さんだったのですか?
石崎秀穂氏: 子どもの頃は、文章は全然書かなかったんです。でも、書いているうちに慣れてきました。あとは大学時代に塾の先生をやっていて、わかりやすく説明するにはどうすればいいのかを研究していたので、わかりやすい文章を書けるようになっていったのかもしれません。ちなみに、塾ではいろんなことをしていて、小・中学生も教えていたのですが、高校部を新しく作る時に僕に任せてくれたこともありました。
――その当時、新設の部分を任せられるということは、その時も評価が高かったのですね。
石崎秀穂氏: 新しく高校の部を作るという話があって、誰に任せるか決まっていなかったんです。たまたま僕が、アンケートでわかりやすいと評価されていたこともあって、任されたようです。
――その時の経験が大きいのですね。教える時に、小学生から高校生までで共通するものはありますか?
石崎秀穂氏: 学生は素直なので、わかりにくかったらすごく嫌われる。場合によっては、騒ぎ出すので、やはりそこは厳しいですね。なので、わかりやすく教えざるを得なくなってくる。大人は何かしくじっても絶対聞いてくれますから、大人に向けてセミナーをしている方が気が楽ですね(笑)
――もともと教育に興味がありましたか?
石崎秀穂氏: あまりなかったですね。僕はすごいあがり症で、人前でしゃべれなかったんです。だから、人前に立つと話せるんじゃないかなと思って、それで講師を始めたんです。塾講師を始めてから、教育の楽しさを知りました。
家でできる仕事を、とホームページに挑戦
――卒業後は研究所に勤められたとのことですが、どういった研究でしたか?
石崎秀穂氏: 「液クロ」という分析機器があって、成分を分析する。例えばこのコーヒーの中にどういう成分が含まれているのか、分析機械にかけて見る、というような研究です。
――そこからブログやホームページを作ろうと思ったきっかけは何だったのでしょうか?
石崎秀穂氏: 研究所勤務といえども、サラリーマンです。いつ転勤になるかわからない、リストラされるかもしれない。それでは家族を大切にしているとはいえない。だから、家で何か仕事をできないかと思いました。それで会社を辞めてホームページ作りを始めたんですね。当時は、家族を養わないといけないのに、定職がなく、必死でしたね。そのころに培われたノウハウがいろいろあって、それが今に生きている。
――石崎さんは執筆も含めて、お仕事の中で何を大事にされていますか?
石崎秀穂氏: 昔は、家族を守るために、とにかくお金を稼ぐことがメインだった。お金儲けが中心の生活に疑問を感じていましたが、目の前のことで必死でした。でも、離婚など、いろいろなことがあって、「お金だけじゃないのかな」ということを感じますね。だから今は稼ぐというよりも、人々の役に立つ、自身が楽しむ方にシフトしています。ただ、本に関しては、当時から、特別の想いがありました。だって、本は、時には他人の人生に影響を与えるものですから。だから、昔から、本の価格に見合う以上のものを読者へ提供したいという想いがありました。
――プロフィールが掲載されているホームページにも、自分の得意ジャンルなどを編集者向けにわかりやすくまとめていらっしゃいますね。
石崎秀穂氏: やはり同じ本を作りたくないというのがあります。例えば「カエルの本が売れているから同じ本を作って」という依頼が来たら断ります。同じ英語のジャンルでも違うものを作りたい。そうしないと、前の読者の人にまた読んでいただいた時に「同じじゃないか」と言われてしまいます。英語の本は3、4冊ありますが、全部やはり内容が違います。
著書一覧『 石崎秀穂 』