柴田昌治

Profile

1979年東京大学大学院教育学研究科博士課程修了。 大学院在学中にドイツ語学院を起業し、30代の頃はNHKテレビ語学番組の講師を務める。その後、ビジネス教育の会社を設立し、80年代後半からは組織風土・体質改革の支援に本格的に取り組む。 2009年にはシンガポールに会社を設立、対話によるチームづくりを通じて日本企業のグローバル化を支援している。 主な著書に『なぜ会社は変われないのか』『トヨタ式最強の経営(共著)』『なぜ社員はやる気をなくしているのか』『考え抜く社員を増やせ!』『どうやって社員が会社を変えたのか(共著)』(以上、日本経済新聞出版社)など。

Book Information

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出来上がったものを教えてもらっても面白くない。
一緒に考えて解を作っていく先生が理想


――大学時代はどのようなことをされていましたか?


柴田昌治氏: 僕は軟派風に見られますが、学生時代は、麻雀や合コンなどをして遊んでいたわけではありません。麻雀は高校の時はしていたのですが、大学に入ってからは麻雀などしていたら時間がもったいないと思いやめました。僕はクラスの自治委員でしたから、合コンは1度だけ女子大とのセッティングをしたことがありますが、当日、僕は忙しくて行けず、結局ダンスパーティにも1回も行ったことがありません。当時は学生運動が盛んな頃で、ちょうど日韓条約が締結されたということもあり、100人以上の人が参加する朝鮮問題研究会を作ったりしていました。

――時間を惜しまずに精力的に活動されていたのですね。


柴田昌治氏: 何をするのか、何に時間を割り振るかっていうのはものすごく大事なのです。僕が授業に出なかったのは、人から何かを教えてもらうのが、あまり好きではないからかもしれません。特に、学校で教えてくれるものは、全部出来上がったものなので、面白くないのです。僕が小学校の3年生ぐらいの時に、他の子が「地球から空気がなくなったらどうなるんですか?」と女の先生に質問をした時、「そんなことあるわけないじゃないですか!」と怒られていたことを僕は鮮明に覚えています。「なんでそんな言い方をするんだろう?教育はそんなもんじゃない」と僕はずっと思っています。一緒に考えて解を作っていく先生がいたら僕は勉強したと思いますが、残念なことに、僕ほとんどそういう先生に出会えませんでした。でも、高校の時には、人間的にも素晴らしい歴史の先生に出会えまして、僕は今でもその先生を尊敬しています。その先生のように、一緒に考えてくれる、本来教育とはそういうものではないかなと思っています。

あくまで「目線は一緒」でありたい


――「教える」ことについての思いは、ご自身が本を書かれる時にも心の中にありますか?


柴田昌治氏: 僕が、出来上がっているものを教えたりするのがイヤだから、僕は、人にもしないようにと書く時も心がけています。情報はできる限り提供するので、あとは自分で考えてくださいという、あくまでも上から目線ではなく「目線は一緒にする」というスタンスです。だから、僕は「一緒に困る」という言葉が好きなんです。例えば、相手が小さい子供の場合、こちらの方があきらかにたくさんの情報を持っていたり、答えらしきものを持っていたりすることもあるのですが、子供と話をしていると子供から教えられることも結構あって、そういうことが大事だと思っています。僕は、大会社の社長と話をする時も、工場のリーダーの方と話をする時も基本的に同じ姿勢で話をします。誰に対しても同じ姿勢でありたいと本気で思い始めたのはおそらく30歳前後ぐらいだと思います。

意味のないこと、役に立たないことはしたくない


――お仕事も含めて、柴田さんの理念などを教えていただけますか?


柴田昌治氏: 人生でやりたくないことは「意味のないこと」です。仕事でも、価値を生まないと思うような仕事ならば、やめた方がいいです。まだ道路公団があった頃、全職員に対する研修の相談のために、公団の理事をはじめ7、8人で来られたことがありました。研修をすれば確かにビジネスにはなるけれど、役に立たないことは明らかでした。役に立たないことをもっともらしくやって金を稼ぐなどということは、僕は絶対にイヤだったので「やっても無駄だからやめなさい」と言って帰ってもらった記憶があります。無駄なこと、意味のないことは基本的にやりたくない。たいていは仕事をしながら元気を僕がもらいますが、意味のないことをやっているとドッと疲れます。

著書一覧『 柴田昌治

この著者のタグ: 『コンサルタント』 『コンサルティング』 『創造』 『営業』 『起業』 『きっかけ』 『プロセスデザイナー』

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