face to faceの対話を大切に
――普段はどのような本を読まれているのですか?
落合孝裕氏: 小説などはあまり読まず、ビジネス書が多いです。ここ10年くらいで読んだ本のなかでは、この神田昌典さんの本(「あなたの会社が90日で儲かる!」)が、文章の書き方なども全部含めて猛烈に面白かったです。こういった本を読むときは、前書きなども参考にしています。読み方としては、気になった箇所に線を引いたり、余白に書き込んだりします。なんとなくこの方法が頭にこびりつくのかなといった感じです。
本選びに関しては、新聞の広告欄をみて面白そうなものを買ったりもしますね。またAmazonの書評を見てみたりするなど、何かしらのフィルターを掛けて、それから買うようにしています。
――紙の本と比べて、電子書籍についてはどうお考えですか?
落合孝裕氏: 今後は読み方の区分けをしていくような感じでしょう。本は、手に取らないと分からないというのと、本棚に並んでいるという所にメリットがあると思うんです。本屋さんに行って大量の背表紙を一度に見た時に、これはこんな題名が書いてあったとか、どんな本の並びなのかなどという情報があり、何百冊と読んでいると、これとこれは歴史が繋がっているなとか、その関連性まで何となく分かってきます。背表紙って結構大切だと思っていて、タイトルだけではなく、大きさや色なども含めて、情報だと思うんです。電子書籍でも、タイトルや表紙も見られるんでしょうけど、やっぱりちょっと違いますよね。
僕は今のところ、過去に読んでもう殆ど読まないようなものは電子書籍にするなど、補助的な役割で電子書籍を利用してしようと考えています。電子書籍は、資料を読むという意味では良いと思うのですが、まだ本の質感などが無いので、電子だけを利用するつもりはありませんね。
――電子書籍の可能性について、どう思われますか?
落合孝裕氏: 検索する時などは、結構良いと思うんです。図表をクリックするとそのデータが見られたりとか、それを自分で加工できたりとか、そこまでできると面白いですよね。今の段階だと、ほとんどが単にスキャンしたデータを見るというものだけなので、もっと電子書籍ならではの仕組みがあれば良いと思います。例えば、ビジネス書だったらURLをクリックするとそこに飛ぶとか、データの更新ができるとか、「過去3年のデータはこれ」などと、毎年改訂されて、1年毎にデータを比較できるといったように、電子書籍にしかできない何かがあると面白いですよね。
――今後の活動などに対する意気込みをお聞かせください。
落合孝裕氏: 今、毎週火曜日にメールマガジンを出しているのですが、それに力を入れています(「落合会計事務所」のホームページから登録が可能)。雑誌の記事などは、読者とのやり取りがなかなか無かったのですが、メールマガジンは感想が届いたり、直接仕事に結びついたりします。感想を寄せてくださることはまだ少ないのですが、実際に会うと、「このあいだの面白かったよ」とか、「参考になりました」とか、「実は毎週送ってもらったものを打ち出して取って置いてファイルしています」といった、face to faceの対話ができるので、暫くは執筆活動はメールマガジンを中心にやっていこうかなと思っています。
(聞き手:沖中幸太郎)
著書一覧『 落合孝裕 』