「今」を考えるヒントを届ける
辻田真佐憲氏: 『楽しいプロパガンダ』は、今までの自分の研究分野をどう広げていくのか、またそれと同時に、現在社会のなかでどうその知識を役立てていくのかを考えて書きました。私のウェブサイトには「本は私の魂の指標ではない」というオウディウスの言葉を掲げていますが、要するに「ここに書いてあるものは私の心を示している訳ではない。軍歌を扱っているけど、思想に共鳴している訳ではないですよ」という表明でもあります。
――あくまで、研究の成果だと。
辻田真佐憲氏: 政治主張の道具にはしたくない。自分がプロパガンダの主体になってはいけないので、そこは気をつけています。こうした研究が出来るのも、一定の安定した社会基盤があってこそ。その社会に貢献できるものを、今を考えるヒントになるものを、今後も様々なメディアで発信していきたいと思います。
(聞き手:沖中幸太郎)
著書一覧『 辻田真佐憲 』