チームとして一緒にいいものを出していくという姿勢。
――書き手として、出版社・編集者の役割はどのようなものだと思いますか?
小暮真久氏: 数冊出していて、それぞれに編集者が全然違うのですが、僕にとっては、自分が思っていることや考えを世に出すということには、少し怖い部分もあるのです。そこを一緒に歩んでくれる。必ず一緒の目線で悩んで、考えてくれ、相談し合う。チームとして一緒にいいものを出していくのだと、そういう姿勢を持っている方が僕にとっては素晴らしい編集者です。最初の本の杉崎さんはそういう方でした。「こんなことを書いても絶対に分かんない」というように、ダメな物はダメだと言いますが、処女作でビジネス書で勝負するために、杉崎さんが会社に向けて「こういうメッセージがあるのでこうしたい」と言ってくれたのです。その過程も彼女が突っ走るのではなく、きちんと相談をしてくれたので、僕も、本という1個の作品を作っているんだなという感覚がありました。一球入魂でやったものは、伝わるのだと思っています。
英語で出版。世界に認知してもらいたい。
――今後の展望をお聞かせください。
小暮真久氏: 『「20円」で世界をつなぐ仕事』を韓国語、ハングル語で翻訳して出したのですが、あまり売れませんでした。でも、あの本を見て連絡をくれた韓国の方も何人かいたので、世界の色々な国であの本を出したいという気持ちがあります。ちょっとコンテンツが足りない部分もあるかと思いますし、時間も経っているので、それ以降に起きたこと、ラーニングのようなものを含めた増強版で、英語で出すとかなり読者対象が広いのではないかと思います。だから英語では出したい気持ちは強く、何社かアメリカの出版社にあたったりするなど、色々と自分たちも動いていますが、まだ実現していません。そういうものを通じて、このTABLE FOR TWOの活動を世界中に広めていって「食の活動と言えばTABLE FOR TWO」などと言われるぐらいに世界で認知してもらいたい。それだけの実力がある仕組みだと思っているので、あとは本の助けを借りたりして、僕たちもさらに努力していけたらいいなと思います。そうすれば、日本の若い人に元気を与えることができるのではないでしょうか。日本発で世界に出て行った社会活動、そういうような存在になりたいと思っています。
――本の読者も英語にするだけで、かなり増えますね。
小暮真久氏: 今回英語のウェブサイトを英語圏の人のオーディエンスが見やすいように、少し作り直しました。まだ第一段階ですが、今後もコンテンツを付け足していきたいなと思っています。
(聞き手:沖中幸太郎)
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