鈴木貴博

Profile

東京大学工学部物理工学科卒。ボストンコンサルティンググループ、ネットイヤーグループ(東証マザーズ上場)を経て独立。企業の寿命30年に挑戦し、新しい成長分野を立ち上げる大企業向けコンサルティングが専門。持ち前の分析力と洞察力を武器に企業間の複雑な競争原理を解明する競争戦略の専門家として活躍。著書に、『カーライル』(ダイヤモンド社)、『「ワンピース世代」の反乱、「ガンダム世代」の憂鬱』、近刊に『戦略思考トレーニング』シリーズ(日本経済新聞出版社)、『NARUTOはなぜ中忍になれないのか』(朝日新聞出版)、などがある。

Book Information

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

安くて有用な情報を集めるために、本もテレビも駆使する。


――子どもの頃はよく本を読まれたとお聞きしましたが、最近は書店に行かれますか。


鈴木貴博氏: 情報量が多過ぎるから、最近は行かないんです。今はAmazonを利用することが多いかもしれません。本を選ぶのは、口コミから入ることが多く、リアルな仲間から「この本が良いよ」という話があったり、割りと自分が気にとめている人が紹介している本を選びます。一般読者の方たちと僕らのような作家の一番違うところは、本を先に仕入れるところかもしれません。「これは良い本だな」と思っても、その時に買わないと忘れてしまうから、プロの作家はとりあえず買って積む。良い本かどうかは、ちゃんと見極めつつ買いますが、「これは絶対いつか読んだ方が良い本だから買っとこう」と思ったものが常に事務所に積んであるといった状態です。

――事務所は大量の本が常にあふれている状態でしょうか。


鈴木貴博氏: 一昨年、1人会社に変えてから、職場も完全に僕の書斎になったので、うずたかく本が積まれています。普通の会社や書斎と違うのは、ハードディスクレコーダーがたくさんあることです。地上波の全チャンネルを録画することができるハードディスクレコーダーだとか、衛星放送もちゃんと録画できるものが今出ているので、見逃したテレビは大体、9日前まで見られる。ネット上で話題になっている番組、例えば24時間テレビなども後から見られるんです。デジタル積読といった感じです。

――それはいつごろからされているんですか?


鈴木貴博氏: 80年代からやっていました。当時はビデオデッキを12台くらい自宅においていて、オタクの人たちが興味のある番組を色々なところから集めているのと同じようなことを普通の番組でやっていた。本やドキュメンタリー番組に関しては、制作にお金がかかっている割りには安く売られている、と僕は思っています。自分で本を書いてみて、本を書くことに関してはあまりもうからないということは分かっているのですが、自分の持っている知識を広めたいという思いや使命を感じて本を書くのです。僕だけではなく、色々な人たちが自分の経験をあますことなくもり込み、1冊の本にした上で、安く売っているんです。
アニメや漫画は後から買えるけれど、ドキュメンタリーやバラエティー番組は一度きりで終わるので、貴重なのに忘れ去られているものが山程ある。ワールドビジネスサテライトなんかの特集があるんですが、あれは、ものすごく良い情報が入っているけれど、皆、一度見たら終わってしまいます。デジタルパソコンでテレビが録画できるようになった最初の頃は、編集して、ビデオCDに焼いて、きちんと残してきました。安くて良い情報を残しておくと仕事に後から活用できる、というのが僕の仕事のスタンス、1つの着眼点なのです。

読者としては、電子書籍はライセンスで販売してほしい


――電子書籍の可能性をどのように感じられますか?


鈴木貴博氏: 電子書籍はものすごくポテンシャルがあると感じていますが、売り方がネックになっていて、あまり普及してないという状況なんじゃないかと思います。逆を言えば、売り方さえしっかりしていけば、もっと普及するものだと思います。

――機器の良さや機能性、操作性だけじゃなくて売り方なのですね。


鈴木貴博氏: 今は、売る出版社や著者の側があまり乗り気でない。価格については、今Kindleがやっているように少し安くするのが良いのか、大幅に安くするのが良いのかよく分かってないので、色々試行錯誤していますよね。

――もっと普及するのに必要なものとは?


鈴木貴博氏: 読者としては、今の売り方ではなくて、ライセンス売りしてくれると楽だなと思います。アマゾンがアメリカでこれに近い方式を始めるそうですが、本を買ったら電子書籍のライセンスがただでついてくる、というのが一番良い。本には、やっぱり変えがたいものがあって、「確か、このページだった」といったことは本じゃないとできないこともあります。でも、電子書籍にはすごく便利な点もあるので、両方買わなきゃいけないと思っても、今はどちらかしか買えない。これがライセンスという形で電子書籍も読めるんですという風になってくるとすごく楽だと思います。色々な大人の事情、例えば片方を転売するじゃないかといったところがあるので、まだやっていないのでしょうか。パソコンのソフトウェアのように転売防止できるような制度をきちんと作って書籍を売るようになったら、電子書籍はもっと使い勝手が良くなってくると思うので、読者としてはうれしいです。あと、最近は読む量が増えてきて、漫画もたくさん読むようになりました。単純に置き場所に困らないですし、持ち歩けますので、本を2、3冊かばんの中に入れて持ち歩いていたのが、今ではKindleを持ち歩けば良くなりました。

著書一覧『 鈴木貴博

この著者のタグ: 『コンサルタント』 『チャレンジ』 『コンサルティング』 『考え方』 『働き方』 『ビジネス』 『独立』 『転職』

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
著者インタビュー一覧へ戻る 著者インタビューのリクエストはこちらから
Prev Next
利用する(会員登録) すべての本・検索
ページトップに戻る