鈴木貴博

Profile

東京大学工学部物理工学科卒。ボストンコンサルティンググループ、ネットイヤーグループ(東証マザーズ上場)を経て独立。企業の寿命30年に挑戦し、新しい成長分野を立ち上げる大企業向けコンサルティングが専門。持ち前の分析力と洞察力を武器に企業間の複雑な競争原理を解明する競争戦略の専門家として活躍。著書に、『カーライル』(ダイヤモンド社)、『「ワンピース世代」の反乱、「ガンダム世代」の憂鬱』、近刊に『戦略思考トレーニング』シリーズ(日本経済新聞出版社)、『NARUTOはなぜ中忍になれないのか』(朝日新聞出版)、などがある。

Book Information

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働く人たちが、「ビジネス」を楽しめる社会に



鈴木貴博さんは事業戦略コンサルタントとして、ボストンコンサルティンググループ、ネットイヤーグループ起業参画後、百年コンサルティング株式会社を創業し、大企業の事業戦略コンサルティングを専門にご活躍されています。複雑な問題を解き明かし、明快に解説する能力に優れ、『戦略思考トレーニング』シリーズ、『NATUROはなぜ中忍になれないのか』『カーライル 世界最大級プライベート・エクイティ投資会社の日本戦略』『進化する企業のしくみ』など、著書も多数あります。独特の洞察力と問題解決力をお持ちの鈴木さんに、読書について、これからの電子書籍についてお伺いしました。

百年継続する企業を創る「百年コンサルティング」


――まず近況をお聞かせください。


鈴木貴博氏: 百年コンサルティングでは、ボストンコンサルティングやマッキンゼーのような、大手のコンサルティング会社が持っている、問題解決や戦略立案のノウハウを適用することによって、企業が自力で戦略立案できるプロセスを顧客企業に導入する仕事をしております。大学を卒業後、ボストンコンサルティングにおいて、13年間コンサルタントとしてずっと働いたという経験から分かったことは、やはり戦略立案というのは「プロフェッショナルなスキル」だということです。そのスキルがあるから、より良い戦略が立てられるということが理解できましたし、一方で戦略立案のプロセスや方法論については知識差があることに気付きました。クライアントの社内にそういう知識をもつ人間がいればもっと良い議論ができて、より良い戦略を立てることができるはずだからもったいない、という気持ちがすごくありました。だから「自分でできるところは自分でやったらどうか」と考えました。家のリフォームに例えれば、工務店を使ってリフォームすることもできれば、ホームセンターで買ってきて自分でリフォームすることもできる。ホームセンターを使って、自分でリフォームするようなスキルを企業に導入することができるんじゃないか、と思って始めたのが「百年コンサルティング」なのです。

――百年コンサルティングという社名の由来はどのようなことでしょうか?


鈴木貴博氏: 1つの成功する事業のライフサイクルが大体30年だから、という理由から「会社の寿命は30年」と言われています。新しいサービスの種が発見されて、それが市場に出てきて急速に消費者の支持を得て伸びてくる。それが競争もあって次第に成熟し、衰退していくまでが大体30年。今の大企業はこの30年のサイクルの後半にいるわけです。ここでうまく投資をして次の事業を立ち上げると、それが60年、90年という風に続いていく。だから、その30年で終わる会社ではなく100年続く会社になるためには、そういった新しい事業を作っていくことが必要なのです。百年コンサルティングは事業戦略の中でも、イノベーションや新規事業に特化しています。だから「企業の寿命を30年ではなく100年にもっていくイノベーションをやりましょう」というのが社名の由来です。
それと、実は創業した当時、社名がカタカナや横文字の会社が多くて分かりにくかったんです。「宣伝をしなくても覚えてもらえる会社の名前はなんだろう」という視点で考えた時に、日本語が分かりやすいんじゃないかなと、というもう1つのシンプルな理由もあったんです。社名に関してはそういったブランド戦略の視点も採り入れました。

図書館が併設された教室で、ますます読書好きに


――幼少時代はどのようなお子さんでしたか??


鈴木貴博氏: 子どもの頃は、よく本を読む子どもで、2歳くらいから本を読んでいたそうです。絵本で、すぐひらがなを覚えて、ずっと絵本を読んでいる子どもだった。小学校の頃の教室は少し変わっていて、教室の裏側が図書室の一部になっていたので、休み時間は子ども向けの文学作品を乱読しました。小学校の高学年の頃から推理小説が好きになってきて、今でもミステリーは好きなジャンルの1つです。

――その時から、「謎解き」に興味を持たれたのですね。


鈴木貴博氏: 最初はシャーロック・ホームズやエラリー・クイーンなどから入りました。大学時代以降はアガサ・クリスティーが好きになりました。アガサ・クリスティーの小説は、前半は謎解きですが、円熟してくると段々、動機や人間関係の複雑さなどといった、人間そのものに焦点を合わせたミステリーに移っていきます。そういった人間のミステリーといった部分が今でも面白いと思っています。

天文学好きが高じて、物理工学科へ進学


――愛知の高校時代には、どのようなことに興味をお持ちでしたか?


鈴木貴博氏: 天文学が大好きで、高校時代は理系が得意でした。それで東大の物理工学科に進むことにしました。物理工学科では半導体の表明研究をしていました。大学時代は80年代だったので、今「あまちゃん」でやっているような、アイドルがたくさんいたような楽しい学生時代でした。皆でわいわい騒ぐようなスポーツサークルといった感じで、夏は合宿に行って冬はスキーに行って楽しむような、どこにでもいる普通の大学生でした。

じゃんけんで進路を決めるリスクを避け、文系就職をする


――卒業されてボストンコンサルティングに入社されますが、理系からコンサルティングへ行かれたきっかけはなんだったのでしょうか?


鈴木貴博氏: 理由はすごく単純で、僕のいた理系の研究室は、じゃんけんで就職先が決まっていたからなんです。要は、学科に対して「こういう会社から求人がきている」というリストがあって、SONYから2人、新日鉄から1人などといったものでした。どこに応募するのかと、25人の学生全員を教務課の人たちが集めて、希望の多いところはじゃんけんで勝った人が就職する、といった状態でした。僕は当時、SONYに行きたかったんです。周りに話を聞いてみたら、求人枠が1人のところ、25人中5人の希望者がいることが分かり、SONYに入れる確率は20パーセントでした。じゃんけんで負けた場合、必ず残りのどこかの企業に行かなきゃいけなかったんですが、そのルールから外れる唯一の方法は、文系就職することでした。銀行や、日経BPに入社する、という同じような人も同級生の中でも4人くらいいましたが、その中でも、コンサルティング会社に就職したのは僕1人でした。

――戦略的な選択だったのですね。


鈴木貴博氏: 普通の人は、じゃんけんで勝てばSONYに行けるという状況では、自分は勝てるかもしれないと思うのかもしれません。でも、冷静に考えたら8割方負ける勝負なのであって、その勝負に挑むよりも文系就職に行く、というのは僕からすると正しい。東大生がじゃんけんで自分の未来を決めていたわけなので、今考えても面白い世界だったなと思います(笑)。

――コンサルに白羽の矢を立てたのはなぜでしょう?


鈴木貴博氏: 当時、コンサルファームはあんまり知られてなかったのですが、たまたま商社を回っていた頃に「実はそういう会社があるんだけど、君に向いているかもしれないよ」と言われたり、「理系の人間も探しているんだよ」といった話を聞いたりしました。それで、マッキンゼーとボストンコンサルティングを受けに行きました。論文と面接試験で、論文のテーマは、「創造性とはなんなのか」ということだった。僕は「創造性とは実証することである」ということを書きたかったので、インスタントラーメンの作り方の話を論文に書きました。当時、即席ラーメンの上においしそうな目玉焼きがのっているコマーシャルをやっていたんですが、あれはとてもおいしそうだけど、実際に作るのは大変なんだという内容でした。いろいろ自分で試してみて、実際には同じようには作れないという原因が見つかりました。それから、色々と工夫をすると最終的には同じものが作れる、という方法にたどりついたんです。そういった事を例に挙げて、「創造性とはただの思いつきではなく、実証していく中で磨かれていくものなのだ」という論文を書きました。

人生の節目36歳で転職、新しい道へ


――BCGからネットイヤーを経て独立されましたが、独立に関しては早くから視野にいれていたのでしょうか?


鈴木貴博氏: 僕の人生設計は人生18年区切りで4クォーター、18歳、36歳、54歳、72歳で計算していて、そこから先はサッカーでいうロスタイムだという考え方でした。だから、36歳からは違った働き方をしようと前から決めていたんです。36歳までBCGにいたので、実は転職時期は自分の計算した時期とぴったりと重なっている。BCGのコンサルタントとはいえ、やっぱりサラリーマンです。サラリーマンとして社会人の基礎を学び、自分の基盤を作るということを36歳までにやり、そこから違った働き方をして、54歳からはできるだけ早くリタイアした生活ができないかなといった漠然とした計画を、20代の頃から考えていた。だから、36歳で転職したのは自分にとっては大きな意味があった。当時を振り返ると、荒波だったとは思いますが、「荒波って楽しいな」といった感じで乗り越えてきました。

独立し、コンサルタントとして雇われない人生を歩む


――いざ起業する、という時はどのようなお気持ちでしたか?


鈴木貴博氏: 人に支えられているということが分かって、感謝の気持ちがすごく大きくなってくるので、人間としての態度が変わっていったかもしれません。36歳からの人生は、「雇われない生き方」へと変わったように思います。雇われない生き方というのは、色々な意味で自由だけれど、会社は守ってくれないから、当然そのリスクもある。そういった世界で、このように荒波すら楽しくやってこられているのは、色々な人から支えられているからだということがよく分かります。

本を執筆している時には「神が降りてくるような」感じ


――書くことに関しては、昔からされていましたか?


鈴木貴博氏: 伝える力といったものは、昔から僕にはあったんだと思います。ワープロが登場したのが僕にとってはすごく追い風だった。筆圧も高いし、原稿用紙でものを書くというのはあまり向いてなかったのですが、ワープロだと考える速度で書けるようになったので、それが作家になれた最大の理由だと思います。

――執筆のスタイルはどういった感じなのでしょうか?


鈴木貴博氏: 「自分の中に神が降りてくる」という表現の仕方をしています。テーマだけ決まっていて結論がないといった状態でも、書き始めた時に自分の中に色々なものがざーっと入っていく。結末がどうなるのかが分かってない状態で書き始めて、終わってみると「ああ、こういう結論だ」といった感じになります。自分の頭の中で思考実験をしていて、それを文章にしていくといったスタイルで、僕の本やコラムなどは構成されていくんです。

――書き始める時の導入儀式はありますか?


鈴木貴博氏: コンディションを整えるんです。すこぶる健康な状態にしなきゃいけないので、例えば食事をして胃が重たいといった状態はだめです。だから「今日は書くぞ」という日は食事も抑えたりします。
でも、集中しすぎてもダメなので、ずっと取りためてあったテレビのドキュメンタリー番組を見たり、音楽を聴いたり、本を読んだりしながら、「じゃあそろそろ書こうか」といった雰囲気にもっていきます。だから、書く時は誰にも会わないし、人からの連絡も取りません。

ボストンコンサルティング時代から、ビジネスの楽しさを書きたかった。


――本を執筆されるきっかけはどのようなことだったのでしょうか?


鈴木貴博氏: 本当は、昔から本が書きたかった。でも、ボストンコンサルティンググループという世界的な組織の中で著作物を作ると、社内プロセスがすごく大変なのです。会社としてのブランディングがあるので、いい加減なものを出されては困るといったこともありますし、書いた本を英語に訳して本社の許可を取れという話になる可能性もあるのです。だから、コンサルティングファームのパートナーの人たちが書く本はそんなに出ていない。2003年に独立して、自分のリスクで自分の書きたいことが書けるようになったので、バーッと一気に書き始めました。

――BCG時代にはどのようなことを伝えたいと思われていましたか?


鈴木貴博氏: 僕が一番書きたかったのは、ビジネスや仕事って楽しいものだということでした。どちらかというと僕が追求しているジャンルはビジネスエンタメで、そのテーマをこの3、4年は書けるようになってきたと思います。


安くて有用な情報を集めるために、本もテレビも駆使する。


――子どもの頃はよく本を読まれたとお聞きしましたが、最近は書店に行かれますか。


鈴木貴博氏: 情報量が多過ぎるから、最近は行かないんです。今はAmazonを利用することが多いかもしれません。本を選ぶのは、口コミから入ることが多く、リアルな仲間から「この本が良いよ」という話があったり、割りと自分が気にとめている人が紹介している本を選びます。一般読者の方たちと僕らのような作家の一番違うところは、本を先に仕入れるところかもしれません。「これは良い本だな」と思っても、その時に買わないと忘れてしまうから、プロの作家はとりあえず買って積む。良い本かどうかは、ちゃんと見極めつつ買いますが、「これは絶対いつか読んだ方が良い本だから買っとこう」と思ったものが常に事務所に積んであるといった状態です。

――事務所は大量の本が常にあふれている状態でしょうか。


鈴木貴博氏: 一昨年、1人会社に変えてから、職場も完全に僕の書斎になったので、うずたかく本が積まれています。普通の会社や書斎と違うのは、ハードディスクレコーダーがたくさんあることです。地上波の全チャンネルを録画することができるハードディスクレコーダーだとか、衛星放送もちゃんと録画できるものが今出ているので、見逃したテレビは大体、9日前まで見られる。ネット上で話題になっている番組、例えば24時間テレビなども後から見られるんです。デジタル積読といった感じです。

――それはいつごろからされているんですか?


鈴木貴博氏: 80年代からやっていました。当時はビデオデッキを12台くらい自宅においていて、オタクの人たちが興味のある番組を色々なところから集めているのと同じようなことを普通の番組でやっていた。本やドキュメンタリー番組に関しては、制作にお金がかかっている割りには安く売られている、と僕は思っています。自分で本を書いてみて、本を書くことに関してはあまりもうからないということは分かっているのですが、自分の持っている知識を広めたいという思いや使命を感じて本を書くのです。僕だけではなく、色々な人たちが自分の経験をあますことなくもり込み、1冊の本にした上で、安く売っているんです。
アニメや漫画は後から買えるけれど、ドキュメンタリーやバラエティー番組は一度きりで終わるので、貴重なのに忘れ去られているものが山程ある。ワールドビジネスサテライトなんかの特集があるんですが、あれは、ものすごく良い情報が入っているけれど、皆、一度見たら終わってしまいます。デジタルパソコンでテレビが録画できるようになった最初の頃は、編集して、ビデオCDに焼いて、きちんと残してきました。安くて良い情報を残しておくと仕事に後から活用できる、というのが僕の仕事のスタンス、1つの着眼点なのです。

読者としては、電子書籍はライセンスで販売してほしい


――電子書籍の可能性をどのように感じられますか?


鈴木貴博氏: 電子書籍はものすごくポテンシャルがあると感じていますが、売り方がネックになっていて、あまり普及してないという状況なんじゃないかと思います。逆を言えば、売り方さえしっかりしていけば、もっと普及するものだと思います。

――機器の良さや機能性、操作性だけじゃなくて売り方なのですね。


鈴木貴博氏: 今は、売る出版社や著者の側があまり乗り気でない。価格については、今Kindleがやっているように少し安くするのが良いのか、大幅に安くするのが良いのかよく分かってないので、色々試行錯誤していますよね。

――もっと普及するのに必要なものとは?


鈴木貴博氏: 読者としては、今の売り方ではなくて、ライセンス売りしてくれると楽だなと思います。アマゾンがアメリカでこれに近い方式を始めるそうですが、本を買ったら電子書籍のライセンスがただでついてくる、というのが一番良い。本には、やっぱり変えがたいものがあって、「確か、このページだった」といったことは本じゃないとできないこともあります。でも、電子書籍にはすごく便利な点もあるので、両方買わなきゃいけないと思っても、今はどちらかしか買えない。これがライセンスという形で電子書籍も読めるんですという風になってくるとすごく楽だと思います。色々な大人の事情、例えば片方を転売するじゃないかといったところがあるので、まだやっていないのでしょうか。パソコンのソフトウェアのように転売防止できるような制度をきちんと作って書籍を売るようになったら、電子書籍はもっと使い勝手が良くなってくると思うので、読者としてはうれしいです。あと、最近は読む量が増えてきて、漫画もたくさん読むようになりました。単純に置き場所に困らないですし、持ち歩けますので、本を2、3冊かばんの中に入れて持ち歩いていたのが、今ではKindleを持ち歩けば良くなりました。

ビジネスエンタメと「貧困学」


――働く上での理念や使命といったものはありますか?


鈴木貴博氏: 使命はすごく感じています。今は、大企業だけに、もうけをどんどん吸い上げられる世の中なってきた。資本主義が、そういった方向を作ってしまったのか、組織の中で働く人たちが、疲弊する世の中になってしまった。若い人たちにチャンスが少ない世の中へとシフトしていったのは、8、90年代当時のビジネスマンの責任であって、その一端を僕も担っている認識はあります。だからこそ、少しでも働く人たちに楽しい世の中を作っていきたいという思いがあって、ビジネスエンタメというのが1つのテーマなのです。

――今、研究において重視しているのはどのような分野ですか?


鈴木貴博氏: まだ積読状態ではありますが、もう1つの中心的な研究分野として考えているのは、貧困学です。貧困学の分野を解明して、世の中を変えていくポイントを見つけていきたいと思っているんです。なぜ格差が広がったのか、なぜ貧困というものから抜け出せないのかといったことに関する研究本は、今すごく出ている。今週のビジネスジャーナルの記事で、「ヨーロッパのブラック企業」というのがあるんです。日本でもブラック企業は問題になっているんですが、ドキュメンタリー番組を見て、「ヨーロッパのブラック企業は半端なくブラックなのだ」ということが分かって驚愕しました。ヨーロッパは地域統合しましたから、ドイツやフランスなどで働いている人たちが、アイルランドで契約して派遣で働いたりすることもあるのです。そうすると、アイルランドの雇用ルールの中でやっているので、社会保障費も払ってないし、非常に劣悪な労働環境の中で働かなければいけない、といった話なのです。日本の問題だと思っていたのが、実は先進国共通の問題だったりするんです。その気になれば勉強できる題材がたくさん世の中にあるのだから、それをきちんと読み説いて考えをまとめて、世の中に発信するのは僕の使命だろうと思っています。



読者と筆者のギャップを埋めてくれる存在、それが編集者


――出版社、編集者の役割とはどのようなものだと思われていますか?


鈴木貴博氏: 書きたいものとお客さん用に書いたものは微妙に違うのです。これはどんな商品でも同じで、自分が作りたいものと消費者が買いたいものは微妙に違う。その違いをきちんと編集者が埋めてくれて、「こういう風にすれば良い製品になるんだよ」ということを教えてくれる。理想像として少しハードルを高くすると「最高の企画マン」が編集者の理想像です。商品企画をしてくれて、ほんの少しの違いかもしれませんが、「こうする方が売れるんだよ」ということをアドバイスしてくれるとうれしいです。

――編集の方とのお付き合いはどのようなものですか?


鈴木貴博氏: 最近売れているのは『戦略思考トレーニング』という本です。編集の方とは長い付き合いで、もう3年くらい前から日経文庫で書いてもらいたいという話だけがあったんです。ある時編集の方がやって来て、クイズの本をいくつか見せてくれて、「この本、どれくらい売れていると思います?」と聞かれました。売り上げ部数を聞いたらびっくりするくらい売れている。僕も持っていたようなクイズの本がいくつかありましたが、「ジャンルが少ないから、実は出すと売れたりするんです。戦略の本をクイズ形式で書きませんか?」と僕に提案してくれて、『戦略思考トレーニング』が生まれたのです。

54歳までには、貧困学を極め、キーになる情報を発信していきたい。


――最後に今後の展望をお聞かせください。


鈴木貴博氏: 先ほどの話にありました、貧困学の分野にチャレンジをして、「なぜ今このような世の中になってしまっていて、どうすればそれを変えることができるのか」ということについては、54歳までにはある程度めどをつけて、世の中に発信をしていきたいなと思っています。期待していてください。

(聞き手:沖中幸太郎)

著書一覧『 鈴木貴博

この著者のタグ: 『コンサルタント』 『チャレンジ』 『コンサルティング』 『考え方』 『働き方』 『ビジネス』 『独立』 『転職』

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